内容説明
俵屋宗達はトリミングの達人、モネはオールオーバーの先駆者だった!…「デザイン」という言葉が生まれるずっと以前から偉業は成されていた!偉人たちの手法や着想のヒントを時代背景とともに解き明かす。目からウロコのデザイン史!
目次
1501・携帯できる本をつくったマヌーツィオ
1593・フラットカラーで余白に意味をみつけた等伯
1617?1924・トリミングの力を魅せたロトチェンコと宗達
1858・円グラフで統計の力をみせたナイチンゲール
1869・文字を絵として扱ったシェレ
1897・レイアウトに機能美を求めたマラルメ
1904、1947・オールオーバーへの道を開いたモネとポロック
1905・CMデザインの定型をつくったベルンハルト
1912・文字をノイズとして扱ったマリネッティ
1917・「選ぶこと」をみつけたデュシャン
三原色を極めたモンドリアン
周縁レイアウトにこだわったチヒョルト
本の形に黄金比を適用したマーダーシュタイク
スピード感を線に託したローウィ
著者等紹介
松田行正[マツダユキマサ]
本のデザインを中心としたグラフィック・デザイナー。「オブジェとしての本」を掲げるミニ出版社、牛若丸主宰。『眼の冒険』(紀伊國屋書店)で第37回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
75
デザインの様々な技法や表現を、歴史の中にたどる。トリミングの話に俵屋宗達と深作欣二「仁義なき戦い」が出てきたのには驚いたが、まさにその通り。デザインの技法は、こんな時代から生まれていたのかと勉強になる。ナイチンゲールが、こういうビジュアルによるレポートを作っていたのは初めて知った。著者は、本のデザインを主にしているデザイナーのようで、本にまつわるデザインの話は細かく語られて興味深い。ただ、図版が多い割には、全て白黒で残念だ。モンドリアンの色を語るのに白黒では伝わりにくいと思う。2021/12/30
夏みかん
1
正に「デザイン」に魅かれて購入した本。でも、その素敵な装丁に負けず劣らず内容も充実したものでとても良かった。知らない偉人も多かったけど、知ってると思ってた偉人も他では語られていないような内容(ナイチンゲールと統計学など)が多かったので楽しく読めた。2021/12/06
723
1
「この人来る?」という意外な人選がおもしろかった!ナイチンゲールの知られざる功績。そして松田行正さんの素晴らしいブックデザイン。小口が面白い。2021/04/08
jackbdc
1
門外漢だが何となく理解できた。例示された偉人の作品は歴史的経緯、政治、産業、機能、文化、思想のコンテクストにより生まれ、評価されるように感じた。過去の作品の影響が見える。オマージュもあれば反発も、創発もあるのだろう。印象に残った偉人3人。1.ナイチンゲール:数学好きの金持ちの子女で円グラフの使い手。看護覚え書のイメージしかなかったので驚いた。2.モネとポロック:印象派とキュビスムの連続性はちょっと理解できない。3.デュシャン:作品は痛快だが彼を無批判に神格化する姿勢こそ権威主義的な危うさを感じるのだが。2020/12/24
やまうち
0
⭐︎92021/02/09