内容説明
『パリのすてきなおじさん』の著者が次に出会ったのは農家の変なおっちゃんだった。農業レボリューションに挑む規格外の人たちの物語。
目次
第1部 農の伝道師、道法正徳さんのはなし―シンプルでまったく新しい農法ができるまで(農法を伝えるために、東へ西へ;え?縛るだけでいいの?;チャラ男、技術指導員になる;すべては、ひとつの疑問から始まった;ひとを見ないで、ミカンを見る ほか)
第2部 それぞれの農の挑戦―道法スタイルの実践者たち(ゲルに住み、リンゴを育てる・林貴士さん;父親に隠れて道法スタイルを実践する・ヘイさん;自然栽培を研究する科学者・矢野美紀さん;酪農から転身し、無肥料リンゴを模索する・松村暁生さん;震災後の福島で、電力およびワインをつくる・山田純さん ほか)
著者等紹介
金井真紀[カナイマキ]
1974年生まれ。テレビ番組の構成作家、酒場のママ見習いなどを経て、2015年より文筆家、イラストレーター。農業経験は、田植えの手伝いをわずかに5回ほど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
89
「肥料は一切やらない。土づくりにも価値を置かない。ただし苗木には農薬をやる。弱ったら酵素もやる。あとはせん定と縛りで植物ホルモンを活性化させる」考えの道法正徳さんは全国を飛び回る「流しの農業技術指導員」元はJAの技術指導員だったが肥料と農薬を推奨する方法に疑問を持ち、先輩ではなく「ミカンに聞いて」独自の方法を確立させた。それはJAとは真逆の方法。第2部では道法スタイルを実践する個性的な7人の変人たちに著者が迫る。この人達へ連なる縁が面白い。著者の素人なりに「人生のシナリオの妙」を楽しむ姿がこの本の魅力。2020/10/20
アナーキー靴下
80
元JA技術指導員だった道法さんの生き様、植物や農業に対する考え方は魅力的な一方、著者の視点や文章等、全体的に期待外れな本だった。もともと農業に対する知識ゼロな著者が書いたということで、道法さんが語る農業を、初心者にもわかりやすく、親しみやすく伝えてくれているのは良かったが、数十年前の話を、本人からの聞き取りのみに頼った一元的な視点で書いているだけ、という点が甚だ物足りない。様々な課題を抱え、試行錯誤を続けているであろう日本の農業全体に目を向けずに個人の偉業を語られるのは、知らん先輩の武勇伝聞かされてる感。2021/07/20
fwhd8325
70
目から鱗と言うほど詳しい世界ではありませんが、化学肥料や農薬にまみれた農作物はどこか自然に逆らっているようにも感じます。ファーマーズマーケットへ行ったりして、自然に近い方法で農業をされている方も多く出会ってきました。少しくらい高くてもそれは技術と安全の価格だと思えばいいわけで、私たちは何か大きな勘違いをそのままにして、時間を過ごしてきたように思います。2021/02/08
けんとまん1007
65
なかなか興味深い内容。多少、自家菜園をやっているので、今年はトライしてみようかと思う。もちろん、半分だけにして比較してみようと思う。これまでにない視点であるのがいい。しかも、少しずつトライして評価しながらの繰り返しであることが重要だということ。その実験精神が、結果につながるし、ミカンに聞けというのは納得できる。去年、プチトマトが異常なくらい実をつけたのがあったので、そうなのかもと思う。2021/03/28
ぱるる
52
旅先の書店で出会った本。農業の新しい知識が得られるか⁈マルノウ?というタイトルにん⁈と。実に面白かったです。道法正徳さんという農業技術指導者とその実践者にインタビューして書かれた本。その農法は植物の本来持っている植物ホルモンの力を活性化し無肥料無農薬で栽培する技術。地下水が肥料で汚染され、飲めなくなってる話、効いてはいたけど本当だったんだ。農薬と肥料を売る組織の中でこの農法を普及したのが凄いところ。この農法、まだまだマイナーでこれから普及すれば日本の農業の未来は明るくなる革命的農法なのです‼️ 2022/10/29