内容説明
小規模生産はなくならない。椅子作りの文化経済学。ものづくりの将来と日本の経済社会を考える。
目次
第1章 なぜ椅子クラフツを取り上げるのか
第2章 椅子クラフツ生産はいかに行われているか
第3章 近代椅子はどのように変化してきたか
第4章 なぜ椅子をつくるのか
第5章 椅子に何を求めるか
第6章 生活文化の中の椅子
第7章 椅子の社会的ネットワークはどのようにして可能か
終章 椅子からみる経済社会
著者等紹介
坂井素思[サカイモトシ]
1950年生まれ。1985年、放送大学教養学部助教授に就任、現在同大学経済学教授。社会経済学、産業・消費社会論、クラフツ文化経済論を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ろべると
6
職人の手によるクラフツ椅子を社会学の観点から多角的に分析。同じ手仕事による作品でも、作者の名が残るアート作品と違い、クラフツ生産による椅子は工藝品としての価値がある。それは鑑賞の対象ではなく、実用に供される生活の美だ。椅子が備えるのは、座り心地としての機能性と、装飾的な芸術性。それだけではない、椅子は人の孤独を癒すだけでなく、人と人とを繋いで社会的なネットワークを構築する結節点にもなるというのだ。どこにでもあるありふれた家具と思いきや、人間社会を裏で支配する闇の帝王のような存在だったのだ。生き残るわけだ。2024/10/11
Hiroki Nishizumi
3
椅子クラフトを題材に経済の回り方やものづくりについて考察する。なかなか考えさせられる。2020/11/29
ゑんがく
1
椅子から社会的ネットワークが生まれるという考え方が、そういう視点で見たことがなかったため面白いなと思いました。