内容説明
悲しいかな、酒を呑んでしくじったところで人生は終わらない。無銭飲食で友人を置き去り、太宰治。家に石を投げられても呑んだ平塚らいてう。プラットホームから落っこちた小林秀雄など、泥酔偉人を描く爆笑エッセイ。
目次
第1章 リスク管理篇
第2章 通勤篇
第3章 出世篇
第4章 宴会篇
第5章 上司篇
第6章 健康篇
著者等紹介
栗下直也[クリシタナオヤ]
1980年生まれ、東京都出身。横浜国立大学大学院国際社会科学研究科経営学専攻修了。経済記者のかたわら、書評サイト「HONZ」や週刊誌、月刊誌などでレビューを執筆。書籍構成も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
111
本書で多くの有名人がけっこう酒で失敗していたことを知った。それを読んで、その人物を軽蔑したかといえば、否である。かえって親しみを覚えた。己の酒に対するだらしなさが少しは救われた気がする。もちろん酒癖の悪さはけっして褒められたことではない。しかし、誰か落語家が言っていた。「キチンとした人間は面白くない。欠点やスキのある人間の方が人に好かれるもんですな」と。ちと、言い訳がましいか。2021/01/08
kinkin
90
本書の冒頭から「本書は偉人の泥酔ぶりから、処世術を学ぼうというコンセプトだ」と書かれている。どの方も皆さん泥酔の大家のような人ばかり。そこいらの居酒屋でカウンターに頭をくっつけているような人たちではない。三船敏郎、小島武夫、梶原一騎、小林秀雄、河上徹太郎意外だったのが横溝正史、原節子。中原中也もすごい。囲碁の藤沢秀行はもっとすごい。豪快な泥酔する方は別の才能を大いに発揮できる才能を持っているのかもしれない。図書館本2019/11/03
ネギっ子gen
48
【三船敏郎は夜な夜な日本刀で素振りを続けた。小林秀雄は一升瓶を抱えて水道橋駅のホームから落下した】新橋系泥酔派を自任するも「酒場詩人」は目指していない著者が、偉人の泥酔ぶりから処世術を学ぶ書。内容・装画から昔の本かもだが、2019年刊!<酒好きの連中はアル中と自分の間には、長江や黄河が流れているイメージを抱くかもしれないが、せいぜい市民公園内を流れる人工の小川程度しか流れていない。いつでも飛び越えられるのである/そもそも、この本を読んでいる時点で黄色信号点りまくりだし>だが、それでも吞みながら読む人も……2024/08/10
T2y@
47
呑んだ帰りの電車など、時間を選んで読み進め、ようやく読了。 カストリ・バクダンなど、戦後の粗悪な密造酒でのエピソードがまた酷い。 飲まなきゃやってられなかった時代に、飲む酒が限られていた不幸。 いい酒でも泥酔するけどね。 忘年会シーズンにこの読書は活きるだろうか?笑2019/12/02
たまご
36
お酒は、飲んだ人の普段は隠された一面を暴くクスリ。ホームから落ちちゃうとか(小林秀雄だ)おかしすぎ。そして、想定外の出来事への対応の仕方でもまた人柄が占えます。お酒を使って(呑みまくって)、世の中上手く泳いで出世に役立ったり、作品のもとネタつくったり(太宰だ)、いろいろ役に立つようです。しかし皆さん、相当やらかしてる。身近にこんな人がいたら?と、サラリーマン視点で書かれているのも楽しい。上司が大砲誤射したとか、そんなことに対応できなくてよい、と思うこともあるけどね。2020/03/10