内容説明
迷い巻き込まれてきた小説家の、旅、仕事、学生時代…などにまつわる20の迷エッセイ集。
目次
はじめに
タコと地図
おばあさんのバイキング
初めてのコックピット
幻の店
ほんの少しバカ
ひきわり納豆
変圧器
背もたれ問題
困った人〔ほか〕
著者等紹介
浅生鴨[アソウカモ]
1971年神戸市生れ。大学在学中より大手ゲーム会社、レコード会社などに勤務し、企画開発やディレクションなどを担当する。その後、IT、イベント、広告、デザイン、放送など様々な業種を経て、NHKで番組を制作。その傍ら広報ツイートを担当し、2012年に『中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?』を刊行。現在はNHKを退職し、主に執筆活動に注力している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
73
帯にあるとおり、迷子でいいのだ・・と、思う部分がある。誰しも、そんな場面があると思う。それでも、何とかなることが多いのは、何故だろう。この文章の力の抜け具合が絶妙。迷うことを楽しむくらいのこころでいたい。2022/06/26
アキ
69
若い頃の焦燥感。背もたれを倒さない人との関係性を避ける気持ち。流されるまま何も決められなかったけど、やりたくないことをわざと選ぶ天邪鬼な性格。自分が行ったことに自信が持てず、ネガティブな若い頃の自分が甦る。「人は変わるものだと僕は思っている。ずっと変わらない一つだけの自分なんて退屈過ぎるじゃないか」「なりたかった自分になれないまま生きていく。それが生きていくということではないのだろうか。だからこそ人生は面白いのだと、あの日から数十年経た今、僕はそんなふうに思うのだ。」年月を経て至る境地はみな同じなんだなあ2019/08/02
tomi
35
「車のハンドルに多少の遊びが必要なように、ものごとを前に進めるためには、そこに緩く動く何かが混ざっているほうがいい。そして、できることなら僕はその緩く動く側、気の抜けた側にいたい」。落ちこぼれだった学生時代、お金もなく何者かにはなりたいともがいていた若い頃の思い出から、旅先でのおかしな出来事など、ゆるいユーモアのなかに、じんわりと沁みる好エッセイ集です。「なりたかった自分になれないまま生きていく。それが生きていくということではないのだろうか。だからこそ人生は面白い」。2023/10/24
阿部義彦
31
左右社です、目の付け所がシャープですね。これはかなり売れるんじゃ無いでしょうか?脱力エッセイとでも言うのかなあ。穂村弘さんとは目指す方向は似ているようですが根本は全然違いますね。作者の事は初めて知りましたが、これはもう勘で左右社の新刊案内で目にしてから買うべきだとピンと来ました。そして正解でした。装幀も素敵と思ったらクラフト・エヴィング商会でした。椎名誠さんの本のコピーをそのまま引用すれば、これこそ平成最後のオモシロカナシズム!売れそうですねー。頑張れ左右社!2018/09/18
たまご
24
サツバツとした広告業界の中で,この「ユルさ」に包まれた柔らかさは,大変だったんじゃないかなーと思いつつ,お葬式のおじい様の話をよんで「この血が流れてれば大丈夫か!」とも感じました. 面白さの中に,こちらの心の柔らかい部分に触れてくる内容が心地よい本でした. 作者名,「あっ,そーかも!」というのでペンネーム付けたのかな?と思ってるんですけど,本名なのかな…?2020/03/17