硯の中の地球を歩く

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  • サイズ B6判/ページ数 157p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784865282030
  • NDC分類 728.3
  • Cコード C0093

出版社内容情報

職業は製硯師。ワイルドでワンダーな仕事。硯に魅せられ、世界一墨が磨れる石を探しに、命がけで中国の秘境へ。
中国人に怪しい変人と警戒されながら石を採り、その石を山賊に襲われても自動車にひかれても守り持ち帰る。削った石の味を確かめながら究極の硯を完成。お気に入りの硯とは一緒にお風呂に入る。石を手で削るという地味にして肉体酷使の作業ゆえ、一年でつくる硯はたった3面! 目指すは地球外硯! 
常識はずれのエピソード満載の硯ハンター・ノンフィクション。太古からある文房具のうんちくも得られます。カラーページ32頁。

目次
プロローグ 人魚の妖しさ
一 命より石が大切
硯、五〇〇〇年の歴史/お酒が好きな最初の師/運命の一夜/観察し、真似る/命より石なのか!
二 一億年の秘境をめぐる
命を落とす恐怖/石探しの熱病/怪しい変人/人を二つに折って食べる熊/硯爆弾/ついに新しい採石地を発見か?/一億年経っていないから若い/硯を山に返す/職人のフィジカル/無名の名工を演じる/石を読む能力/全身で彫る/絶滅危惧種、泥砥石/夏目漱石が愛用した硯/石の買い付け現場/硯のお医者さん/字がきれいで損することはない/山賊に襲われる/現場で使える中国語習得法/一年間にやっと三面つくる/地球に気づく
三 地球外の硯へ
石の味について/硯もいじける/とろふわな書き心地/硯ブローカーとの交渉/石の良し悪しの見方/遺言を書く/技術の頂は果てしなく
まるわかり メイキング・オブ・硯
おまけ 硯の選び方/硯の簡単メンテナンス方法

❖ 硯をめぐる11の疑問
石は1億年経っていないとまだまだ若僧?
良い硯で磨った墨はとろふわ?
硯プローカーと1つで100万円を超える取り引き?
絶滅危惧種の石がある?
ごぼうの味がする石がある?
硯の歴史は5000年?
隕石で硯をつくる?
硯もいじける?
夏目漱石の使った硯はどんな硯?
石はやさしく揉んで仕上げる?
製硯師は一夫多妻制?

著者紹介
青栁貴史(あおやぎ・たかし)
1979年、東京都浅草生まれ。16歳の頃より祖父・青栁保男、父・彰男に作硯を師事。日本・中国各地の石材を用いた硯の製作、修理、復元、プロデュースを行う。寳研堂内硯工房・四代目製硯師。大東文化大学文学部書道学科非常勤講師。「情熱大陸」「SWITCH インタビュー達人達」に出演。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しいたけ

79
製硯師青柳貴史さんの話。祖父から続く三代目の職人なのだが、のっけから二人の奥さんの話をする絶倫ぶり。二代目の父親と中国の奥地(人間を二つ折りにして食うという熊がいる)に石探しに行ったりもするのだが、一億年前からあるような石のほんの一部に硯となるものがあり、その出会いはまさしく奇跡。そして石にも種類があって、その辺を語られても私などは半分も頭に入らないのだが、要するに各々魅力があるので奥さんも二人だという訳だ。本妻とセカンドワイフと呼び、家と工房に分けて住まわせている。枯れることのない硯愛が興味深かった。2022/05/27

ばんだねいっぺい

24
石を求めて三千里。黒曜石などを見て、ワクワクする気持ちは分かるが青柳さんには到底かなわない。石への愛が半端ではない。修理とは必ずしもピカピカに磨いて返すことではないという話に深く共感したなー。2019/07/07

テイネハイランド

10
図書館本。成毛 眞氏の書評を見てこの本を知りました。素材はいいのに調理法が悪いのか出来上がりの味がまずいことが料理ではありますが、この本もそんな感じです。製硯師として著名な著者は筋道を立てて自分の仕事を紹介するのが得意ではないのか、脈絡のない話題によく脱線するし、著者の文章表現には他人には理解しづらい箇所もみられるので、この本だけを読んで硯の基礎知識を得るのは不向きだと感じました。硯そのものの製作過程、採掘作業、様々な種類や歴史などについては奥深いものがありそうなことがわかったのが収穫です。2019/09/04

gtn

10
一億年以上経った石を探し求め、愛し、新たな命を吹き込み、生涯のパートナーとする硯職人、否、製硯師。その世界観がよく分からないので、いい加減なコメントは差し控える。2019/01/08

クサバナリスト

10
ゴロウデラックスを見て読んだ。高校の書道以来、久しぶりに硯石の産地等を確認した。現在、学校で使用している硯は明治以降、日本で工夫されて今の形が出来たことも分かった。 石探しの大変さが伝わった。2018/12/26

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