1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
28
稀有な“屋形船”が、少しばかり風流を解する異質な詩情小説。結界を幾重にも張り巡らし容赦なく私を弾く丸山健二。形容しがたい【個】の砲弾の中を、無防備に駆けずり回るだけで徒労に終わる。一切を拒絶した要塞は、蜃気楼のように私に手を振る。2017/04/04
フランソワーズ
5
先細りさえ過ぎて久しい露草村、そこを流れる徒然川に浮かぶおんぼろな屋形船。稀有な船頭を乗せて、村民を、世の中を睥睨する。「詩と小説との間に存在する、文学の新たな鉱脈」をひたすら探求する孤高の作家、丸山健二氏。まずは上巻。その健在ぶりに、思わずほくそ笑みました。2023/01/03