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内容説明
作家としめきり、悶絶と歓喜の94篇!
目次
1 書けぬ、どうしても書けぬ(机(田山花袋)
文士の生活/執筆/読書と創作ほか(夏目漱石) ほか)
2 敵か、味方か、編集者(自著序跋(川端康成)
編集中記(横光利一) ほか)
3 〆切りなんかこわくない(私の発想法(山田風太郎)
北国日記(三浦綾子) ほか)
4 〆切の効能・効果(のばせばのびる、か(外山滋比古)
勉強意図と締め切りまでの時間的距離感が勉強時間の予測に及ぼす影響(樋口収) ほか)
5 人生とは、〆切である(イーヨーのつぼの中(小川洋子)
自由という名の不自由(米原万里) ほか)
1 ~ 5件/全5件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
456
さまざまな作家さんの締切にまつわる文章を集めてまとめた一冊。おもしろさは、まあまあかな。でも、内容はともかく、作り手の熱意が伝わってくる良い本だった。構成にも、デザインにも愛情が感じられるし、締切云々というよりも「書かねばならない」という状況とはなんなのかを考えさせられる。2016/09/24
鉄之助
392
時には仮病を使い、様々な言い訳をしながら〆切を破る文豪たちに、親近感が増し、増しの1冊。よくもまあ、これだけ集めたものだと編集者の執念に脱帽。しかしながら、〆切があるからこそ、まっとうに生きていける、のも事実だ。「不自由な方が自由になれるのである」(米原万理)。もし、〆切が存在しなかったら、映画「シャイニング」の作家役ジャック・ニコルソンのように、原稿を永遠に埋め続ける妄執に取り憑かれ、発狂する(その結果殺人者となる)しかないのだ。2022/08/08
starbro
343
王様のブランチで紹介され予約したので、少し出遅れてようやく読めました。明治時代の文豪から現代の人気作家および編集者の締切に関するエッセイ、手紙、漫画等のアンソロジーです。大作家でも書けない時は、悲惨な状況のようですネ(笑)似たような内容の文章が多い中で、藤子不二雄Ⓐの感動的な漫画および締切は必ず守る森博嗣のクールなエッセイが輝いていました。2017/01/15
風眠
286
「しめきり。そのことばを人が最初に意識するのは、おそらく小学生の夏休みです__。」(まえがきより)あぁ確かにそうだね、そうだよね。考えてみれば、人はあらゆる局面で〆切というものに追われて生きている。明治から現代に至る文豪たちが〆切に追い込まれ、必死の言い訳を繰り出すさまは、人間ぽくて何だか可愛らしい。だけど自分が〆切に追われる立場だったら「今すぐ高熱でてくださいっ!」て祈るだろうな、絶対。樋口収『勉強意図と締め切りまでの時間的距離感が勉強時間の予測に及ぼす影響』は異色の学術論文だったが、非常に面白かった。2016/11/29
Kazuko Ohta
190
現在公開中の映画『心の傷を癒すということ』で柄本佑演じる主人公が、「理由がたくさんあるのは、ないのと同じ」と言っています。書けない、〆切に間に合わない理由をああだこうだと並べてはいるけれど、ないのと同じ。結局全部言い訳だ(笑)。新旧文豪や漫画家のそんな言い訳を集めて1冊にすると企画した時点でもう楽しい。もちろんちゃんと早めに書く人もいて、映画『三島由紀夫vs東大全共闘』に魅せられた私は、山口瞳が語る三島に泣きそうになりました。内田百閒には大笑い。一気に読破せずとも、気になる人を拾い読みしても愉しいのでは。2021/03/12