内容説明
獰猛かつ繊細。異才の歌人として知られる著者の傑作句集が、ここに誕生。
目次
五十音順
照らしてあげて
幼稚園
12人
サーティワン
モノレール
21世紀
光ろうと月
予鈴
いい水
紅白
十二支
水中ソーシャルディスタンス
ABC
著者等紹介
平岡直子[ヒラオカナオコ]
1984年生。神奈川県に生まれ、長野県に育つ。2015年に川柳に出会い、2016年から句作をはじめる。同人誌、ネットプリントなどで川柳作品を発表するほか、トークイベント「現代川柳と現代短歌の交差点」(2019年)、暮田真名川柳句集『補遺』批評会(2020年)などにパネリストとして登壇。また、歌人としては2006年から活動をはじめ、2012年に連作「光と、ひかりの届く先」で第二十三回歌壇賞受賞、2021年に歌集『みじかい髪も長い髪も炎』を上梓。同歌集で第六十六回現代歌人協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
39
言葉の、この不可思議な組み合わせは、嵌まると癖になる。そんな落ち着きのなさがある一方で、そう来たのか・・という納得感もある。その微妙なバランスが、味わいなのかもしれない。単に、センスとだけでは言い切れないものを感じてしまうのだが。2022/09/30
双海(ふたみ)
13
歌人として川柳に出会い、魅了された著者。獰猛かつ繊細な手つきでえらばれた言葉たち。作句をはじめた2015年の作品から最新作まで全232句を収録。「白鳥のように流血しています」「雪で貼る切手のようにわたしたち」「月蝕に関係のないヒヤシンス」「ウエディングドレスのなかの含み損」 「わたしにとって、男性社会にチェックインするという手続きを踏まずに使える言葉の置き場がひとつだけある。それが現代川柳である」(著者)2024/02/21
rinakko
8
〈Ladies and どうして gentleman〉〈月蝕のような美貌が欠けている〉〈見事なディナーだった翻訳家を呼べ〉〈蛮勇の自慢はイタリア語で頼む〉〈靴下で曲がりくねって来てほしい〉〈無人島には合わせ鏡をもっていく〉〈オーケストラに混ざって百合を吹く人よ〉〈カルピスが水玉を脱ぐ真似をする〉〈階段になれたら虹をこぼれたい〉〈もみの木にしらみつぶしのえめらるど〉〈みていないときの彼氏は象印〉〈いい水は人が飛び込んだら消える〉〈パラソルを持って沸騰しています〉〈あの星が滅びるまでの舌鼓〉2022/08/12
Nene
2
★★★☆☆ 好きな句が多く、付箋をたくさんつけた。2025/04/25
toki12
2
「黄ばんだらポストに入れる絶縁状」 「初心者は点滅してもいいですよ」 Ladies and /平岡直子/左右社 ➖➖➖ 素敵な句集。そして装丁も素敵。 「獰猛かつ繊細」って形容に笑ってしまった。 キラキラしてないのにじめじめもしてない。 「ここにいる違和感」みたいなのが凄く刺さりました。2024/03/16