内容説明
1970年代のはじめ。パーティーガールのデイジー・ジョーンズは、その比類なき歌声と存在感でLAじゅうにその名を知らしめようとしていた。同じ頃、ビリー・ダン率いるバンド「ザ・シックス」は、ファーストアルバム録音のため意気揚々とサンセット大通りにやってきた。レーベルメイトとなったデイジーとザ・シックスは、共同制作を行うことに。デイジーとビリー、ふたつの才能が出会って火花を散らし、パーティーと酒とドラッグまみれの「デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックス」は一躍スターダムを駆け上がるが…。ロックが一番輝いていた季節を回想形式で描く、傑作長編小説。
著者等紹介
リード,テイラー・ジェンキンス[リード,テイラージェンキンス] [Reid,Taylor Jenkins]
マサチューセッツ州アクトン出身の作家。映画業界、高校などで働いたのち、2013年にForever,Interruptedでデビュー。以降、7冊の小説と1冊の短編集を出版しているほか、“ロサンゼルス・タイムズ”、“ハフィントン・ポスト”などにエッセイを寄稿。複数の作品がベストセラーとなっている。夫、娘とともにLA在住
浅倉卓弥[アサクラタクヤ]
小説家、翻訳家。東京大学文学部卒。2002年『四日間の奇蹟』(宝島社)が第1回「このミステリーがすごい!」大賞で金賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M H
26
架空のバンド、デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックス。関係者へのインタビュー形式で天賦の才に恵まれたデイジーとビルの煌めき、葛藤、衝突が目まぐるしくも鮮烈に繰り出され、感情に訴えかけてくる。メンバー達の証言もまた複雑な心境を行ったり来たり、温度もそれぞれなのが奥行きになって良い。すべてを曝け出し、エネルギーに変えるパフォーマンスは圧巻。発散される熱気と後の虚脱感は振り返るとどこか甘やかですらあり、青春の火花と終わりまで寄り添ってくれる。ビルの妻カミラの人生何周目感がすごい。2023/03/30
みかん
7
架空のバンド、デイジー・ジョーンズ・アンド・シックス。デイジーとその関係者へのインタビュー形式での物語。とにかくカッコよかった!70年代のロス、それこそセックス・ドラッグ&ロックンロールを華麗に駆け抜けていくリアルを語っていくフィクション。2023/05/03
鹿ノ子
5
マジで最高!2023/05/23
とんとん
4
バンドの栄枯盛衰ものだと思って読んでいたらなんとシスターフッドの物語だったという。348ページのカミラの言葉が胸に来る。2021/12/31
拡がる読書会@大阪
2
当時は音楽業界はまだまだ男社会。女性にとっては難しい環境でもあるのですが、物語に出てくる女性たちは強く生きています。 才能に人間性が追いついていないデイジー。 男社会の一員として立場を確立しているキャリア思考のカレン。 妻として母としての役目を成し遂げるカミラ。 フェミニズムな話ではないのですが、三者三様の生き方がインタビューから覗き見ることが出来ます。 https://note.com/sharebookworld/n/n8edd9a76f1a22023/05/15