感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
90
ジョン・アシュベリーは、ニュー・ヨーク派の前衛詩人。1975年この長編詩で全米図書賞・全米批評家協会賞・ピュリッツァー賞受賞。パルミジャーニは1503年フランシスコ・マッツォーラとして1503年パルマに生まれ、20歳で教皇クレメンテ7世の寵愛を受けるが、1527年ローマの掠奪でパルマに戻った。アシュベリーはニューヨークのショーウインドウでこの絵を見て552行の詩を書いた。自画像の描き方、魂、幽閉、表層、外部、今日、夢、他者、展示場のテーマ。ポール・オースターが「幽霊たち」で詩の一部を引用した。難解な詩。2022/01/25
夏
18
表紙に惹かれて手に取っては見たものの、あまりにも難解な詩であり、考察もほとんどできなかった。イタリアのパルミジャニーノという画家の「凸面鏡の自画像」という絵画に触発されて書かれた詩みたい。パルミジャニーノという画家を恥ずかしながら今まで知らなかったけれど、画風がとても好きだと思った。アシュベリーもこの絵が好きだったのだろうか。後ろには原文の英語版の詩もついているので、原文で読みたい人には嬉しい詩の本だと思う。★★★☆☆2022/04/23
きゅー
10
ジョン・アシュベリーによる長編詩。16世紀の画家パルミジャニーノが描いた「凸面鏡の自画像」を契機に(アシュベリーはこれを「自画像を出発点とする」と書いた)自己を省察する内容であり、非常に難解な詩だった。「今日は烈しく陽が沈む、そんな感じをわたしはどこかで知っていたし、なぜ意味ありげだったか、そして何年も前に他人がそう感じたことも知っていた」。しかし、このように時々顕になる叙情性にドキリとさせられる。途中で解説を挟んで3回通読。難解さはそのままだが「理解できなくても感じられるあの言葉の囁き」に身を浸した。2022/02/24
DK-2084
3
★★★☆☆図書館本2024/11/16
猫柳
2
理解するのが難解で、2割も理解出来たか分からない。何となくわかったような気になるだけ。ただ芸術家は暗雲の中に飛び込むようなもので、あらゆる思考の先に導き出した答えを実行して一時的に光が見えたとしても、その先にはその光は幻だったかのような、果てしない不安と戦っているような思いが、詩の中に沢山感じられた。一種の限界を超えるような作業の連続に、尊敬の念を抱かずにはいられない。とても不思議な本。理解が難しいのに退屈どころかどんどんページをめくらざるを得ない。目を話すことが出来なかった本当に不思議な本。2023/05/13
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