内容説明
「タカラヅカに新ジャンルを築いた」「情報量の多いおじさん」を極めたバイプレイヤー「たそ」の物語。
目次
第1幕(偉大なるタカラヅカを凡庸な私が目指したキッカケ;リベンジを誓ったたそが、まずしたことは…;いよいよ聖地宝塚へ!「凶」のおみくじが招いた負の連鎖 ほか)
第2幕(いよいよ花組公演スタート!―最下級生の仕事;初めて髪の毛を染めた日;トップスター退団公演の思い出 ほか)
フィナーレ(卒業への決意;はいからさんの一族;「巨匠」との出会い:Q ほか)
著者等紹介
天真みちる[テンマミチル]
2006年宝塚歌劇団に入団、花組配属。老老(若は皆無)男女幅広く男役を演じる。また、タンバリン芸でも注目を集める。2018年10月に同劇団を退団。現在はフリーで活動しており、舞台、朗読劇、イベントなどの企画・脚本・演出を手掛ける傍ら、自身もMCや余興芸人として出演している。オンラインサロン『天真みちるの歌(ん)劇団応援組』を開設。「観劇」を愛する方との心通うサロンを運営中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真香@ゆるゆるペース
134
図書館本。宝塚の元男役、天真みちるさんの宝塚音楽学校の受験から卒業までのエッセイ。軽快でテンポの良い文章で楽しかった!どのページを開いて読んでも面白いし、いろんなエピソードがすごい自虐的に書かれているけど、見えない所では相当な努力を重ねたり大変な思いをされたのではないかしら。宝塚を趣味にできるのは経済的にも時間的にも余裕のある人だけで自分には無縁の世界だと思っていたけど、だいぶイメージが変わって以前よりもとっつきやすくなったかな。著者の持ち前の明るさと前向きさに、元気をもらえる一冊。2022/01/19
ばう
72
★★★ 在団中はあくの強い役で存在感を見せ、舞台の外では知る人ぞ知るタンバリン芸人として名を馳せた(知らない人は知らない)愛称たそさん。彼女はただの面白い人では無く、真摯に役作りに励み、常に感謝の気持ちを忘れない努力の人だという事です。だからこそ皆に愛されているんですね。とは言え本書は絶対外で読んではいけません。何度呼吸困難になるまで笑ったことか…。先生方、トップさん、大先輩の方との逸話はどれも印象的でした。とにかく全編宝塚愛に溢れた一冊。宝塚を知っている人は勿論知らない人にも是非読んで頂きたい本です♡2021/06/06
ぶんこ
56
宝塚観劇から年月がたちすぎて、トップスターのお名前が誰もわからなかったのが寂しかったです。天真さんがご自分のキャラを確立していく努力が素晴らしい。またその過程で協力するトップスターさんが、真っ暗な公演後の舞台を天真さんに体感させるために、許可を取り、連れて行くのには驚きとともに感動しました。他にも衣装、床山さんなど裏方さんにも愛されているのがうかがえて、つくづく人徳のある方なのだと思いました。また役作りで自腹で美容院でヘアカットやセットをするのにも驚きました。一人ひとりの方の切磋琢磨の集大成の宝塚でした。2021/12/17
tulip
48
タカラヅカでおじさん役を極めた著者。いつだったか、TV出演されていたのを見て、興味津々で読みました。宝塚受験から引退するエピソードまで、波乱万丈、抱腹絶倒のエッセイ。でも、何だかんだ言ってもタカラヅカの方は、とてつもない努力の人です。尊敬します。2022/07/17
くさてる
38
いわゆるトップではなく、幅広い脇役で宝塚の舞台に立っていたかたがその経験を語った本で、そこまで宝塚に詳しいわけではないわたしでも面白かった。さんざん自分を卑下したり笑わせる書き方をしていますが、そもそも何の実力もない普通のひとが宝塚に行き、舞台に立てるわけもないのです。その努力と覚悟が見え隠れして、結果として宝塚という独特の文化が普通とはまた違った切り口で紹介されている気がして、そこが良かったです。2021/11/27