内容説明
戦前の流行・風俗がありありと立ち上がる285語収録。
目次
生活
学生
外来語
思想
女学生
文化
医療
社会
隠語
著者等紹介
平山亜佐子[ヒラヤマアサコ]
文筆家、デザイナー
山田参助[ヤマダサンスケ]
漫画家。『あれよ星屑』(KADOKAWA/エンターブレイン)が2019年に手塚治虫文化賞新生賞、日本漫画家協会賞大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
82
大正8年から昭和15年までの”先端語”285語。木曜会/世相/生活の観点でお気に入りを選定。木曜会からは『低徊趣味』。呑気な面々ではなかった気もするが、高唱していたのか。次に世相からは『罰金葉書』。いや~コロナ禍でも同じ?!皮肉だなぁ。生活からは『通過駅』。これまた時代を超越して、私のような俸給生活者の悲哀描写。但し、微笑ましい。番外編として『ツンドク』。私を含め読メの多くの皆様の悩み+喜びのタネ。これまた時代を超越。山田参助さんのノスタルジックな挿絵と、各章末の『ねころびコラム』の蘊蓄も一見の価値あり!2021/06/05
がらくたどん
66
「ガッカリアイエン人」って分かります?立ち寄り先の書店で衝動買い。大正半ばから太平洋戦争「前」までの新語・流行語辞典30点から流行語・俗語を抜粋編集した読み物系辞典。お茶目なカバーにトボケた帯が付いているがメッチャ面白い。収録語は「生活編」から「隠語」まで9項目に分類。各項目ごとに時代背景や流行語の性格に関するコラムが付く。巻末の引用辞典・参考文献からさらに辿ってみるのも楽しそう。学生言葉はもちろんのこと英語・フランス語・韓国語と日本語をテキトーにでも好い感じに合成した言葉の多い事に「ああ、戦前」を感じた2023/04/22
garth
23
この中に自分がふだんわりと使う言葉が出てきてびっくりした。「ほんの寝巻で」というのだが、どうりで誰にもわかってもらえず、みなきょとんとしているはずである。これ、母の口癖なので、そんな昔の言葉とも知らずに覚えてしまったんだが、そもそも母だってそんな言葉を覚えているような年ではない。相当なモガだったという祖母が使っていたのが親子三代受け継がれたものか。今後、さらに積極的に使っていきたい。2021/02/05
のりすけ
21
インフルエンスがこんな時代からあったとは。中年の定義が男40代、女30代って、今フツーにヤングさんやん。今でも残る言葉もちらほらあって面白かった。「あのドスベタがっ!」って言いますよねー?普通の人はそんな言葉を使いません。「与えよ病」は、婦人の参政権については、与えろやと思うけど、昨今の世情を見てると厚かましいだけの与えよ病が多すぎる気がするです。つかマスコミが与えよ言い過ぎやと思います。2021/05/21
マッピー
12
江戸時代ならまだしも、大正8年から昭和15年までに出版された新語・流行語辞典に、どれほど知らない言葉があるかと思ったら、大概知りませんでしたね。明治維新後、外来語と海外の思想や文化がどっと日本に押し寄せてきたのが、少し落ち着いてきた大正から昭和の戦前まで。融通無下に海外の言葉や思想を日本語に落とし込んで使っています。辞書なので、語釈や例文もありますが、当時の語釈だけでは今はわかりにくいので、突っ込みとして現在の解説もついています。いろいろ愉しい読書でした。2023/11/15