内容説明
第一人者による決定版!バイデン大統領就任までのアメリカの中東政策ほか、中東・パレスチナ問題が一冊でわかる。
目次
パレスチナ問題以前のパレスチナ
戦うユダヤ人国家
アラブ世界の反撃
変わるイスラエル
レバノン戦争
ペレストロイカの影で
インティファーダ
湾岸戦争と中東和平
オスロへの道
ラビン/その栄光と暗殺
ネタニヤフとバラク
スフィンクスの謎/シリアの故アサド大統領
シャロンとガザからの撤退
オバマ
トランプ
新しい波
著者等紹介
高橋和夫[タカハシカズオ]
放送大学名誉教授。福岡県北九州市生まれ、大阪外国語大学外国語学部ペルシア語科卒、コロンビア大学国際関係論修士、クウェート大学客員研究員、放送大学教員などを経て2018年4月より一般社団法人先端技術安全保障研究所会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
180
戦争に次ぐ戦争。少し記憶にある第4次中東戦争では、サダトに攻め込まれたイスラエルがソ連に核弾頭を向けた所で終わったと著者は推測。レバノン戦争以後のイスラエルは軍事力で周りを圧倒し、湾岸戦争ではイラクのミサイルを浴びたものの、そのフセインを支持したPLOが干されて得をした。神の意志だとするパレスチナ入植によって今も数百万人が悲惨な境遇に置かれている。資金を出して入植を助長し続けた米は、不良息子の素行に悩む父親みたいに和平の仲介をくり返すが、トランプはそれさえせずイスラエルを支援して福音派の機嫌を取り続けた。2023/06/11
りんご
34
気になってネットで調べてすぐ忘れて、ってのを繰り返してるイスラエルとかパレスチナとかの問題。本で読むのは初めてです。キリスト教では裏切り者はユダヤ人のユダ。ここから嫌われる運命になったユダヤ人が、「ユダヤ人国家作るべ」「ルーツはエルサレムだべ」ってパレスチナに集まり出した。これがプロローグ。んでなんやかんやずーっとやってる。和平のために譲歩しやすいとこは先に話を済ませちゃったせいで、絶対譲れない部分だけ残してしまって、譲歩した部分が逆に邪魔してしまってるみたい。まだ全然理解してないし忘れそう。2023/11/18
coolflat
17
23頁。ドレフュス事件。ユダヤ人をいち早く解放し、ユダヤ人の同化が最も進んでいるフランスでの事件だけに、ユダヤ人の受けた衝撃は大きかった。反ユダヤ主義に対して理性で立ち向かおうとする流れが弱まっていった。偏見や差別といった非理性、反理性的なものに対し理性で立ち向かおうとするのは不可能であり時間の浪費である、との議論が強まっていた。ユダヤ人は自らの国を持たなければならない、との声が高まっていった。その中心人物はこのドレフュス事件を取材したオーストリアのジャーナリストテオドール・ヘルツルであった。2023/11/01
ほうすう
12
それなりに厚みはあるが比較的分かりやすくパレスチナ問題について解説されている。トランプ政権・バイデン政権といった(2024年時点での)ごく最近まで扱われていることも利点の一つであろう。この一冊さえ読めばとりあえず最近の時事ニュースもだいぶ理解できるようになった気がする。大変勉強になった書。2024/03/25
はるわか
7
しかし、そこは「民のいない国」などではなかった。パレスチナ人の居住地であり、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が長年にわたって共存してきた地域であった。そこにヨーロッパのユダヤ人がやってきて自分たちの国を建てるなどは土台無理な話であった。ナチスのユダヤ人をドイツ社会から排除するという発想は、シオニズムのユダヤ人を集めてユダヤ人だけの国を打ち立てようという目標と相通ずるものがあった。シオニズムを裏返すとナチズムになる。パレスチナ人の悲しみの上にシオニストの歓喜があった。2024/04/15