「罪と罰」の受容と「立憲主義」の危機―北村透谷から島崎藤村へ

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「罪と罰」の受容と「立憲主義」の危機―北村透谷から島崎藤村へ

  • 高橋 誠一郎【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 成文社(2019/02発売)
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  • サイズ 46判/ページ数 222p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784865200317
  • NDC分類 983
  • Cコード C0098

出版社内容情報

ドストエフスキーの『罪と罰』が明治の文壇に与えた影響を分析し、ナショナリズムの高揚と「立憲主義」の崩壊の過程を考察していく。青春時代に「憲法」を獲得した明治の文学者たちの視点で、「憲法」のない帝政ロシアで書かれながら、権力と自由の問題に肉薄していた『罪と罰』を読み解き、島崎藤村の『破戒』や『夜明け前』との関連に迫る。さらに、「教育勅語」渙発後の北村透谷たちの『文学界』と徳富蘇峰の『国民の友』との激しい論争などをとおして「立憲主義」が崩壊する過程を考察し、蘇峰の英雄観を受け継いだ小林秀雄の『罪と罰』論の危険性を明らかにする。

はじめに 危機の時代と文学──『罪と罰』の受容と解釈の変容

第一章 「古代復帰の夢想」と「維新」という幻想──『夜明け前』を読み直す
 はじめに 黒船来航の「うわさ」と「写生」という方法
 一、幕末の「山林事件」と「古代復帰の夢想」
 二、幕末の「神国思想」と「天誅」という名のテロ
 三、裏切られた「革命」──「神武創業への復帰」と明治の「山林事件」
 四、新政府の悪政と「国会開設」運動
 五、「復古神道」の衰退と青山半蔵の狂死

第二章 一九世紀のグローバリズムと日露の近代化──ドストエフスキーと徳富蘇峰
 はじめに 徳富蘇峰の『国民之友』と島崎藤村
 一、人間の考察と「方法としての文学」
 二、帝政ロシアの言論統制と『貧しき人々』の方法
 三、「大改革」の時代と法制度の整備
 四、ナポレオン三世の戦争観と英雄観
 五、横井小楠の横死と徳富蘇峰
 六、徳富蘇峰の『国民之友』とドストエフスキーの『時代』

第三章 透谷の『罪と罰』観と明治の「史観」論争──徳富蘇峰の影
 はじめに 北村透谷と島崎藤村の出会いと死別
 一、『罪と罰』の世界と北村透谷
 二、「人生相渉論争」と「教育勅語」の渙発
 三、「宗教と教育」論争と蘇峰の「忠君愛国」観
 四、透谷の自殺とその反響

第四章 明治の『文学界』と『罪と罰』の受容の深化
 はじめに 『文学界』と『国民之友』の廃刊と島崎藤村
 一、樋口一葉と明治の『文学界』
 二、『文学界』の蘇峰批判と徳冨蘆花
 三、『罪と罰』における女性の描写と樋口一葉
 四、正岡子規の文学観と島崎藤村──「虚構」という手法
 五、日露戦争の時代と言論統制

第五章 『罪と罰』で『破戒』を読み解く──差別と「良心」の考察
 はじめに 『罪と罰』の構造と『破戒』
 一、「事実」の告白と隠蔽
 二、郡視学と校長の教育観──「忠孝」についての演説と差別
 三、丑松の父と猪子蓮太郎の価値観
 四、「鬱蒼たる森林」の謎と植物学──ラズミーヒンと土屋銀之助の働き
 五、「内部の生命」──政治家・高柳と瀬川丑松
 六、『罪と罰』と『破戒』の結末

第六章 『罪と罰』の新解釈とよみがえる「神国思想」──徳富蘇峰から小林秀雄へ
 はじめに 蘇峰の戦争観と文学観
 一、漱石と鴎外の文学観と蘇峰の歴史観──『大正の青年と帝国の前途』
 二、小林秀雄の『破戒』論と『罪と罰』論──「排除」という手法
 三、小林秀雄の『夜明け前』論とよみがえる「神国思想」
 四、書評『我が闘争』と『罪と罰』──「支配と服従」の考察
 五、小林秀雄と堀田善衞──危機の時代と文学


あとがきに代えて──「明治維新」一五〇年と「立憲主義」の危機
初出一覧
参考文献

高橋 誠一郎[タカハシ セイイチロウ]
著・文・その他

内容説明

青春時代に「憲法」を獲得した明治の文学者たちの視点で、「憲法」のない帝政ロシアで書かれ、権力と自由の問題に肉薄していた『罪と罰』の現代的な意義に迫る。

目次

第1章 「古代復帰の夢想」と「維新」という幻想―『夜明け前』を読み直す
第2章 一九世紀のグローバリズムと日露の近代化―ドストエフスキーと徳富蘇峰
第3章 透谷の『罪と罰』観と明治の「史観」論争―徳富蘇峰の影
第4章 明治の『文学界』と『罪と罰』の受容の深化
第5章 『罪と罰』で『破戒』を読み解く―差別と「良心」の考察
第6章 『罪と罰』の新解釈とよみがえる「神国思想」―徳富蘇峰から小林秀雄へ

著者等紹介

高橋誠一郎[タカハシセイイチロウ]
1949年福島県二本松市に生まれる。東海大学文学部文学研究科(文明専攻)修士課程修了。東海大学教授を経て、現在は桜美林大学非常勤講師。ドストエーフスキイの会、日本比較文学会、日本トルストイ協会、日本ロシア文学会、世界文学会、ユーラシア研究所、黒澤明研究会、比較文明学会、日本ペンクラブなどの会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。