内容説明
新発見の史料を用い、日本がどのようにしてバルチック艦隊の情報を入手したかを明らかにし、当時の海軍の情報戦略を解明していく。さらに情報収集の現場を訪れ、集められた情報の信憑性を確認。連合艦隊司令長官東郷平八郎が日本海海戦でどれほどの勝算を有していたか、を導き出していく。
目次
序章 「敵艦見ユ」の舞台裏
第1章 二〇世紀初頭の世界と運輸情報通信
第2章 日本海軍の情報活動
第3章 日英同盟の諜報協力
第4章 ヨーロッパでの情報収集
第5章 インド洋・東南アジアでの探索
第6章 仏領インドシナでの攻防
第7章 日本海海戦へ向けて
終章 情報戦は失敗か?
著者等紹介
稲葉千晴[イナバチハル]
1957年栃木県小山市生れ。早稲田大学大学院文学研究科西洋史専攻博士課程前期修了。早稲田中学・高校教諭、東洋英和女学院短大助教授を経て、名城大学都市情報学部教授。博士(法学)。専門は国際関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
15
博論の一部。冒頭に著者は21世紀に暮らす読者に対して、20世紀初頭の運輸情報通信の実情を説き、正確な情報を入手しそれを迅速に伝達する事が、現代とは比較にならない程困難である事を認識させる所から始めている。それを踏まえた上で、日露戦争において日本がどのようにバルチック艦隊の情報を入手したかを明らかにし、当時の海軍の情報戦略を解明していく。又著者は情報収集の現場を訪れ、情報の信憑性についても確認している。◆目的を達する為には労力やコストを惜しまない事も大事。勿論破滅に向かうしかないような目的は別ですが。2017/08/14
ごいんきょ
1
日露戦争に際し、バルチック艦隊の情報収集に如何に努めたか。 情報が成果に如何なる影響を与えたか。 それらを丹念に調べた著作です。 話の時系列がリニアに進んでいないところがやや判りづらかったです。2016/07/15