内容説明
映画『海獣の子供』の背景美術を一挙収録。なにげない日常がまとう温度と湿度、海の底に広がる深淵、生命の誕生と宇宙の広がりを、圧倒的な画力で描き出す。
目次
Aパート―序盤、ルカの家、江ノ島、中学校、職員室、カメラマップ用素材、港、江ノ島水族館、バックヤード
Bパート―ルカの家、水族館、中学校、町、夕暮れ、流星、雷雨、夕方の海
Cパート―調査船、ルカの家、水族館バックヤード、海へ、カフェ、海沿いの道、雨
Dパート―水族館、伊勢、財団会議室、海中、船内
Eパート―水族館、ルカの家、島、船、祭、港、向こう岸
Fパート―クジラの中、宇宙、空、船、展望台、光の柱、港、浜辺
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
allite510@Lamb & Wool
9
五十嵐大介は漫画表現を十年くらいすっ飛ばす勢いで更新している、と自分は思っているのだけども、この映画化作品にもそれに歩を並べようという意思と熱が感じられる。凄いことだ。映画では海中のシーンが圧巻だけども、町の風景描写も素晴らしく、新海誠の背景描写をさらに先へ進めようとしており、そして成功していたと思う。本書はその背景絵のみを掲載した本で、解説も一切ない。ただ、冒頭の印象的な背景動画や、ジュゴンの海のCGや撮影効果を加味した完成画面の凄味など、広い意味での背景美術の魅力がもっと伝われば、と少し残念でもある。2019/06/10
ネロ
3
これは凄い。五十嵐大介さんの作品はほぼ読んでいるんですが、海獣の子供だけは連載時あまり合わなくて断念。映画も観に行かず、最近やっと子供と一緒にBlu-rayで観たのですが、なんで映画館行かなかったのか後悔しました。この映像美、蠢く生き物の気配、背景一枚一枚の作画の素晴らしさにため息しか出てきませんでした。こちらは人物を除いて背景だけを集めた作品集なのですが、それが見たかった。漫画をこんなに忠実に、色彩が加わったことでより生き生きと鮮やかに表現するスタッフさんたちの手腕と本気を見ました。2021/12/07
寝子
2
猫やクジラや人は猫かれていないのですが今にも出てきそうな生活感というか懐かしい感がある温かい絵だと思います。まだ上映してるとこあるので絶対観に行く。すぐ売り切れてしまうと思って友人に受け取ってもらっていたのですがアマゾンはまだ在庫ありでした。2019/10/15
参謀
2
漫画の五十嵐大介「海獣の子供」原作のアニメ映画の背景画集。美術監督の木村真二は「スチームボーイ」や「鉄コン筋クリート」を担当した人のようでした。原作自体もかなり独特な絵柄ですが、映画も他の作品のように一辺倒な背景ではなく、原作感を出しながらのカラー絵として仕上げている感じが伝わってきました。映像自体は高評価だったみたいなので、レンタルされたら、見たみたいと思います。2019/09/15