感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
25
バンクシーとは何者なのだろう。なぜ、彼のアートに価値が生まれるのだろう。そんな私の幼稚な問いに関して、この本は(当然かもしれないが)そんなに簡単に答えを与えてくれるわけではない。ストリートという持たざる者たちの領域のアートが投資/投機の対象となり、誰もが有名になってしまう時代に匿名であることがむしろ価値を持つパラドキシカルな状況を、批評的に読み解いた本としては興味深い。だが、ややハードルが高い、という感も。イギリスの文化史を抑えた上で、つまりポップ・カルチャーについて他の本でそこそこ学んでから読むべきか?2020/12/15
彼岸花
25
バンクシーの話題には事欠かない。この本は「非公式」扱いだが、元記者らしく、細やかな取材により、バンクシーの人物像に近づけた。彼は匿名ゆえ、これまでのポジションを維持できたのだから、正体をあえて知ろうとは思わない。ストリートアートから13億円で競り落とされる現代画家へと、本人の意に反して、商業主義の道具でとしか扱われない。そもそも、芸術は精神に訴えるものであり、金銭で計れるものではない。慈善活動への多額の寄付は、矛盾する社会に対する抵抗か。ぶれないポリシー、このことでは尊敬できる。今後の活動に着目したい。 2020/12/07
hana87
10
バンクシー展がすごくおもしろくて!その興奮のまま読みました。匿名アーティストという取材困難な対象を丹念に追いかけた良書です。イギリスのブリストルという地方都市、グラフィティをうまく使って治安の悪いエリアの雰囲気を変えることに成功し、今では観光名所にもなっています。若きバンクシーもそこからスタートしたそう。グラフィティを取り巻く人々への取材が豊富、たくさんの印象深いエピソードがありました。本読みブログやってます。https://hana-87.jp/2021/01/08/202012books/
parmigiano
3
購入から2年強、積読から遂に卒業🎉 絵画、美術に詳しくない人でもBANKSYの作品は、頭に浮かぶ人が多いはず。🌍アクセシビリティね🌎 グラフィティアートで超有名になった人くらいにしか思ってないまま読み始めて、反省しました。私が思っていた『アーティスト』の範疇を軽く飛び越え、作品を描く彼自身も彼と関わったそれぞれの人生も、変わっていく流れは、読み応えありでした。 図録や年表、関係者一覧をそばに見ながら読めたら更に愉しめた気も。2022/08/28
hase45
3
★★★★☆ なかなか知る機会が少ないストリートアートについて分かりやすく説明されています。バンクシーが世に出てきた背景など興味深い。2020/09/05