内容説明
ベンヤミンが若き日に出会い、「親友」と呼び続けたハインレ。第一次世界大戦の開戦直後に十九歳で命を絶った「詩人」の現在確認できる抒情詩、散文、書簡を集成。ベンヤミンの生涯に影を落とす友の詩に光を当てる、青春の歌とその断絶の記録。
目次
抒情詩(夢劇;十三の詩 ほか)
散文(青年;わが学級 ほか)
書簡(ルートヴィヒ・シュトラウス宛;フッサール宛 ほか)
書簡草稿(グスタフ・ヴィネケン宛;H宛書簡草稿)
跋 青年運動と文学のアヴァンギャルドのあいだで ヨハネス・シュタイツィンガー
附録
著者等紹介
フリードリヒ・ハインレ,クリストフ[フリードリヒハインレ,クリストフ] [Friedrich Heinle,Christoph]
詩人を志し、抒情詩や物語を書き継いでいたが、第一次世界大戦の開戦直後に十九歳で命を絶った。1894年、ドイツ西部のマイエンの生まれ。アーヘンのギムナジウム〔古典の教養を軸に学ぶ進学向けの中高等学校〕で文学に目覚めた。ゲッティンゲン、フライブルク、ベルリンの大学で学ぶ一方、詩作を続け、青年運動に積極的に関わった。フライブルクでヴァルター・ベンヤミンと出会う。緊張を孕んだ深い友情で結ばれた二人は、青年文化運動、とくに談話室の活動で行動を共にし、青春の言葉を創ろうとした。「親友」が1914年8月に自死を遂げたことは、ベンヤミンの心に傷を残し、その著作に影を落とした。ハインレの現存する作品は、本書の原著で初めて一つにまとめられた
シュタイツィンガー,ヨハネス[シュタイツィンガー,ヨハネス] [Steizunger,Johannes]
専門分野は哲学。十九世紀および二十世紀前半の哲学、文化哲学、政治哲学、社会哲学ならびに美学を重点的に研究し、現在はニーチェの文化概念に関する著書を、ケンブリッジ大学出版会のエレメンツ叢書の一冊として執筆中。カナダのオンタリオ州ハミルトンにあるマクマスター大学哲学科准教授
柿木伸之[カキギノブユキ]
専門分野は美学を中心とする哲学。ヴァルター・ベンヤミンの思想をはじめ主に近、現代ドイツ語圏の思想を研究。芸術批評も手がける。現在、西南学院大学国際文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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