内容説明
普遍性の要求が暴力に陥る危険性を問い質し、道徳的ナルシシズム=「倫理的暴力」に抗する“倫理”を徹底して探究する。
目次
第1章 自分自身の説明(呼びかけの光景;フーコー的主体;ポスト・ヘーゲル的問い;「あなたは誰か」)
第2章 倫理的暴力に抗して(判断の限界;精神分析;「私」と「あなた」)
第3章 責任=応答可能性(ラプランシュとレヴィナス―他者の優位;人間になることをめぐるアドルノ;自分自身を批判的に説明するフーコー)
著者等紹介
バトラー,ジュディス[バトラー,ジュディス] [Butler,Judith]
カリフォルニア大学バークレー校大学院特別教授
佐藤嘉幸[サトウヨシユキ]
筑波大学大学院人文社会系准教授
清水知子[シミズトモコ]
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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べ
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訳者解説「倫理」への転回「本書[...]において、バトラーは「倫理」の問題を扱っている(ここで「倫理」とは、主体形成における他者の優位性を意味する)」(213)(レヴィナス)「もし私たちが他者に対して責任を負うとすれば、それは私の形成がこうした「受動性以前の受動性」としての他者への受動性に起因するからである。主体は、そのような条件を選択したのではなく、主体形成の前提としてそのような受動性を課されている。[...] バトラーは、レヴィナスにおける主体形成の理論から、ニーチェ的意味での「疾しい良心」ではなく、2025/02/04