内容説明
スイスの建築学校でおこなわれた連続講演をもとに、芸術作品の考古学、創造行為とは何か、我有化しえないもの、命令とは何か、宗教としての資本主義、という五つの主題をめぐり、諸学を横断しつつ概念の星座を探索する、アガンベンの思考のエッセンス。“ホモ・サケル”シリーズ以後の哲学者の現在地と行く先を示す、鮮やかな入門編。「わたしがあなたがたの考察に委ねたいことがあるとすれば、それはまさしくアナーキーの問題である」。
目次
第1章 芸術作品の考古学
第2章 創造行為とは何か
第3章 我有化しえないもの
第4章 命令とは何か
第5章 宗教としての資本主義
著者等紹介
アガンベン,ジョルジョ[アガンベン,ジョルジョ] [Agamben,Giorgio]
1942‐。イタリアの哲学者
岡田温司[オカダアツシ]
1954‐。京都精華大学大学院特任教授、京都大学名誉教授
中村魁[ナカムラカイ]
1995‐。京都大学大学院人間・環境学研究科在学。アガンベンを中心とした西洋の哲学、現代思想を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねじおさん
2
改めてボイスの作品についても考えてみたい。制作を生活にしている身から読むと、割と危機感を持って、体のあちこちに釘を刺される気分で読めた。ありえたかもしれない可能性を見出し現在に生かすこと、これは本当に大事なことだよなって思った。それが結局未来を提示することにもなるのかな。ちゃんと読めてるか不安ではある。何しろ哲学の前提知識がないもので2023/01/31
achagi
1
アガンペンの中では論旨がめいかくでよみやすい 2024/02/05
一郎二郎
1
目的を持った歴史の終焉。その時出現する主人であろうという意志。これは、潜勢力が現勢態へと移行する事を命じる命令という形を持つ。主人の目的は自己の力能を増進し続ける事のみだ。それが資本主義、管理的な社会、アートの存在論的基礎となっている。故に抵抗は、潜勢力が元々持つ現勢力に対する抵抗(しないでいる能力=非潜勢力)に求められる。人間的な世界の開けは、動物的世界に非潜勢力が加わる事で可能となった。正義や美が立ち現れるのも、非潜勢力をめぐってだ。例えば、我有化しえないものとの関係としての貧しさ。様々な生の型式。2022/10/22