内容説明
法廷において本人が事実関係をあきらかにした唯一の、そして最後の証言―。
目次
永山裁判とは何だったのか
二人の永山則夫
法廷調書(第十六回公判 昭和六十一年十一月十二日;第十七回公判 昭和六十一年十一月二十六日;第十八回公判 昭和六十一年十二月十二日)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジャズクラ本
11
東京高裁差し戻し審の第十六回から十八回公判の被告人質問を収録。事実上本審を最期に永山則夫の死刑が確定することになる。内容はあくまで被告人質問の採録なので起承転結も無ければドラスティックな何かがあるわけでもない。需要のそれほど見込めぬ本書を今更商用で出版するからには、出版社にも相当思うところがあるのだろう。自身の境遇や社会が生んだ犯行と訴え続けた永山。獄中で残した手記の類いは大量だが、死刑執行後も永山基準として名前が残り、大きな裁判の際に必ずといっていいほど引き合いに出されるのは皮肉なことかもしれない。2022/10/03
こけこ
2
死刑の基準になるくらいなので、どんなことがあったのか知りたくて、ほとんど語らない永山則夫の最後の証言を読んでみた。「貧困」と「無知」がなかったら、彼の人生は変わっていたのだろうか?他の著書も読んでみようと思う。2024/03/29