内容説明
社会における哲学への関心と期待は大きい。それに応えることが哲学研究者に求められている。本書ではこのような理念のもとに、理論的、歴史的な哲学研究と、いわゆる応用的な思考との区別がなくなる地点に立って、哲学的「交差=越境」と現実の諸問題への提言との様々な可能性を探ってゆく。
目次
存在と永遠―スピノザにおける自然と様態の存在論(赤木真通)
判断保留と哲学者の実践―ピュロン主義と現象学(岩内章太郎)
ミルチャ・エリアーデの「新しいヒューマニズム」と軍団運動―「精神の革命」と「新しい人間」(大谷崇)
ブルンナー、バルト、ヤスパース―ヤスパースの「自然神学」とその「限界」(岡田聡)
民藝の美学的根拠―柳宗悦とカント『判断力批判』(大沢啓徳)
スピノザの自然権思想とその成立背景(河合孝昭)
理性としての懐疑―懐疑論再考(佐藤真理人)
労働するとは別様に―生政治的生産の時代における人間活動(澤里岳史)
実存と偶然と必然と(高橋章仁)
“リアル”とは何か―フッサールの「実在性」概念と超越論的観念論の帰趨(田口茂)〔ほか〕
著者等紹介
岡田聡[オカダサトシ]
1981年生。早稲田大学大学院文学研究科哲学コース博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(京都大学キリスト教学研究室)、立教大学、国士舘大学、玉川大学非常勤講師
野内聡[ノウチサトシ]
1971年生。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、東京電機大学、電気通信大学ほか非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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