内容説明
人種差別とポピュリズムの結託に抗する闘いと思考―警察による過剰な取り締まりと暴動、レゲエやパンクなどの抵抗的音楽をつうじて戦後英国における人種差別の系譜を批判的に辿りながら、法と秩序、そして愛国心のもとで神話化された国民というヴェールを引き剥がす。
目次
序章 人種は月並みなものである
第1章 「人種」、階級、行為体
第2章 「囁きが起き、戦慄が走る」―「人種」、国民、エスニック絶対主義
第3章 無法な異邦人たち
第4章 反人種差別のふたつの側面
第5章 ディアスポラ、ユートピア、資本主義批判
第6章 結論―都市の社会運動、「人種」、コミュニティ
著者等紹介
ギルロイ,ポール[ギルロイ,ポール] [Gilroy,Paul]
1956年生まれ、ロンドン大学キングス・カレッジ教授。英米文学、文化研究
田中東子[タナカトウコ]
1972年生まれ、大妻女子大学准教授。メディア文化論、ジェンダー・スタディーズ、文化研究
山本敦久[ヤマモトアツヒサ]
1973年生まれ、成城大学准教授。スポーツ社会学、文化研究
井上弘貴[イノウエヒロタカ]
1973年生まれ、神戸大学准教授。政治理論、公共政策論、アメリカ政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
14
こういう本の翻訳版を30年も未刊行にしていた日本の出版業界はちょっと残念。本書は英国における人種問題を、ポストコロニアル・メランコリアの概念や、ナショナリズム、資本主義との対置、社会的・文化的な面からの分節/節号の実践を通して、多面的に論じたエポックメイキングな作品。特に70年代後半のロック・アゲインスト・レイシズム(R.A.R)の活動と反ナチ同盟、対する国民戦線や英国運動の闘争などの絡みは大変興味深い。ヴィクトリア公園でのR.A.Rコンサート、クラッシュの演奏シーンの鳥肌が立つ映像をついつい思い出す。2017/11/12
msykst
8
戦後イギリスでのレイシズムと、それへの対抗について論じた社会運動論。出版当時(1987年)の社会運動の行き詰まりを、文化、特に音楽を通じた対抗運動によって乗り越えようぜ、という事かと。2023/02/28
文明
2
長い割に中身が薄い。選ばれたのは、第三の道でした。2024/08/07
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