内容説明
「都市の部族」の概念とその可能性を、つねに現場に身を置きながら根源的に思考/記述した類書なきエスノグラフィ―100頁超の長大な「増補新版への序章」と新たなる書物への誘い「ブック・ガイド」を附した増補新版。
目次
増補新版への序章 蝕のコスモ・ポリティクス―そしてまた野外で踊る
旧版序文 本書の読み方について
第1章 アーバン・トライブとは何か?
第2章 トランス・クリティックとしての民族誌
第3章 ディオニュソス・グラフィティ
第4章 学び逸れる野郎ども
第5章 一時的自律接触領域
旧版あとがき いくつかのシーンとTJという立場について
増補新版あとがき パーティが終わった朝から
ブック・ガイド 都市の部族について継続して考えるために
著者等紹介
上野俊哉[ウエノトシヤ]
1962年生まれ。和光大学表現学部総合文化学科教授。社会思想史、文化研究、メディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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踊る猫
27
上野俊哉の著作を読むと、端的に元気が出て来る。眼前の景色がスッと晴れて、見通しが良くなったように感じられるのだ。こんな感覚を感じるのは安吾に触れた時くらいだ。基本的には「カルスタ」の立場からクラブ文化や社会を分析していく試みが為されているが、一貫して私のようなバカでも分かるように平たく進めていく論理構成の手つきに親しみを抱く。社会からドロップアウトしがちな不良/トライブを社会にどう位置づけ、彼らの帰属先として社会を肯定しオルタナティヴな権力を構築するか。理論だけで自足していない実践的で教育的な書物だと思う2019/10/18
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- 和書
- 痕跡 講談社文庫