内容説明
障害者に不利益をもたらしてきた/もたらしうる法現象(法の解釈・運用、判例、学説を含む)と、障害者の不利益を解消した/解消しうる法現象(法の解釈・運用、判例、学説、必要に応じて立法論・政策論を含む)という2つの視点を意識して論考、編集。第3巻『教育法・労働法・社会保障法における障害』は、各論として、教育法、労働法、社会保障法と障害法とが重なり合う論点・領域を考察している。これらの社会法分野は障害者への一定の支援を定めてきた分野であるが、障害の医学モデルから社会モデルおよび人権モデルへの転換を踏まえて、現行法制に残る課題と改善の方向を考察している。
目次
第1部 教育法(障害のある子どもの教育を受ける権利とインクルーシブ教育;障害児教育法制における適正手続と子どもの権利;学問の自由と障害者の高等教育を受ける権利;教育における統合と多様性の尊重―「接触」の限界と構造的な偏見;コラム 私の論考の背景について)
第2部 労働法(障害者の雇用と福祉的就労に関する法制度―歴史的経緯とその課題;障害者雇用義務制度―実雇用率算定に係る特例制度の役割とその課題;促進法上の障害者差別禁止・合理的配慮の提供義務;福祉的就労の特徴と課題―就労継続支援事業B型を中心として;コラム 声なき声の権利擁護)
第3部 社会保障法(社会保障法における「障害」;障害者の所得保障;障害福祉サービスの利用手続きと提供体制;障害者の高齢化に伴う課題;精神保健福祉の課題―地域精神保健福祉の取組み;施策の対象となる「障害者」・「障害児」概念の変遷;コラム 支給量訴訟の歩み)
著者等紹介
今川奈緒[イマガワナオ]
茨城大学人文社会科学部准教授、行政法・教育法
長谷川珠子[ハセガワタマコ]
岡山大学学術研究院社会文化科学学域(法学部)教授、労働法
永野仁美[ナガノヒトミ]
上智大学法学部教授、社会保障法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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