内容説明
視覚に障がいのある女性たちは、どのように親になる過程を生きているのか。育児能力を疑われるなどの差別の経験、肉眼で「見る」こととは違った「みる」の内実、実母・ヘルパー・ママ友・夫との協働など、様々な側面から複合的に描き出す、親になっていく日々。
目次
第1章 医療現場での経験(視覚障がい者への差別;視覚障がい者への認識不足 ほか)
第2章 子どもを「みる」経験(妊り産むまで子どもを「みる」経験;育てる過程で子どもを「みる」経験)
第3章 実母と協働する経験(視覚に障がいのある妊産婦の経験;視覚に障がいのある妊産婦の実母の経験)
第4章 母子を取り巻く人々と協働する経験(ヘルパーと協働する経験;ママ友と協働する経験;夫と協働する経験)
終章(視覚に障がいのある女性は、どのように親になる過程を生きているのか;視覚に障がいのある妊産婦への対応 ほか)
補章
著者等紹介
平田恭子[ヒラタキョウコ]
1976年、富山県生まれ。助産師。立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とよぽん
45
子どもを産むこと、育てることは、当事者だけでは成し得ない大事業だと思う。それを、視覚に障がいのある女性たちがどのようにしてやり遂げてきたのか。著者の丁寧な取材、協力者の率直な思いを文章化してある素晴らしいルポだと思う。女性が視覚障がいをもち、夫に目のがんが見つかった夫婦の例、妻だけが視覚障がいがある場合、いろいろな方の事例が報告されている。そもそも、子どもをもつこと自体の選択と覚悟。そして、安全な育児のためには、家族や親族、周囲の人の協力・援助が欠かせない。著者のまなざしは、終始あたたかい。2025/07/27
manaty
1
すごくしっかりとまとめあげられた論文。仕上げるまでにかかった年数を見て納得。一般論ではなく、一人一人の『こうしたい』に寄り添うことが大事。つまり支援者としては人柄が問われることになる。2025/06/21