内容説明
彼/彼女たちは「名づけられない」病いにどのように対応し、どのように自身の生を築いているのか。公的支援・保障の埒外に置かれる、希少未診断をはじめとする「名づけられない」病者・患者たち。多くの「生きづらさ」を抱える人々にとっての“希望”となることを信じ、当事者の語りから、その「生」のプロセスを記述する労作。
目次
序章
第1章 診断に依拠できない患者の存在
第2章 疾患に規定されている医療社会学
第3章 疾患による病気の規定―難病政策と難病法を事例に
第4章 苦しみを表現する「言葉」をもてない者たち
第5章 働かなければならない患者と病人役割―看護師であり続けたOさんの語りを事例に
第6章 「名づけられない」患者の病人役割の取得過程と管理―医療資源の乏しい環境への移住を選択したAさんを事例に
第7章 病みの軌跡の援用可能性―希少がん患者であり、希少未診断患者でもあるSさんの語りを事例に
終章 軌跡をもたない者の苦しみ―多様化を強いられる希少未診断患者たち
著者等紹介
上野彩[ウエノアヤ]
明治大学法学部法律学科卒業、立教大学大学院社会学研究科博士前期課程修了、大阪大学大学院人間科学研究科学位取得退学。博士号(人間科学)。現在、独立行政法人日本学術振興会特別研究員。専攻は社会学(とくに医療・地域)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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