内容説明
出自を知りたい子どもと匿名性を守りたい親―その「対立」は必然なのか…AID(非配偶者間人工授精)や「こうのとりのゆりかご」などで問題となっている子どもの出自を知る権利と親の匿名性。そのいずれをも尊重する道はあるのか?当事者である“親”と“子”を「対立するもの」としてではなく、“親子の縁の喪失”という共通の経験を有し、ともに生きていくことができる者として捉える視点から、出自を知る権利と親の匿名性に関する議論に一石を投じる必読の書。
目次
第1章 何を知りたいのか―出自を知らない子どもが求める情報とは(文献より;アンケート・インタビュー調査より;調査のまとめと考察;“知りたい”と“会いたい”―精子ドナーや親との面会に関する意識)
第2章 何を守りたいのか―匿名を希望する親が伝えられることはあるのか(アンケート・インタビュー調査より;まとめと考察;子どもとの面会に関する意識)
第3章 考察(出自を知る権利と匿名性の調和点;匿名性を保持しながらも出自を知る権利を尊重する策)
著者等紹介
新田あゆみ[ニッタアユミ]
慶應義塾大学文学部人文社会学科日本史学専攻修了。上智大学大学院実践宗教学研究科死生学専攻修士課程修了(文学修士)。同博士後期課程修了(文学博士)。医療系出版社勤務や各種ボランティア活動を通して“生まれ”に関するグリーフに関心をもち、死生学と保育の世界へ。言在、上智大学生命倫理研究所客員所員、保育教諭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。