内容説明
災害時要援護者・災害弱者というカテゴリーでは拾えない「曖昧なニーズ」の典型としての「災害とジェンダー」。自然災害の被害とニーズを、地域単位の災害対応における被災者ニーズへの対応(=被災者ケア)という問題に即して検討し、保健師という職能の持つ可能性を提起する。
目次
第1部 自然災害の被害とニーズの理論的考察―リスク論・ヴァルネラビリティ概念(被災者支援・ケアの視点の理論的意義;個人のヴァルネラビリティとリスク社会)
第2部 被災者支援における被害・ニーズの考察―災害と女性とケア(被災者とジェンダー問題;地域社会における災害時要援護者の支援・ケアと「女性の視点」)
第3部 被災者ニーズ対応における保健師の専門性の考察―東日本大震災と地域保健(災害時の保健医療福祉ニーズの個別性とジェンダー―保健師に着目して;長期化する避難生活における保健活動とジェンダー―鈴木るり子保健師の活動から;東日本大震災の経験と保健師職能の再評価―地域保健の新たな課題;災害・支援・ケアの社会学と専門知―ニーズへの応答に向けて)
著者等紹介
板倉有紀[イタクラユキ]
東北大学大学院文学研究科(社会学)博士後期課程修了。博士(文学)。同大学専門研究員、日本学術振興会PDを経て、現在、秋田大学高齢者医療先端研究センター特任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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