内容説明
構造的類似性から一種の保安処分と同定できる医療観察法。なぜ、日本精神保健福祉士協会は実質的且つ積極的に関与を表明するに至ったのか!「再犯のおそれ」と「医療の必要性」という、相反的であり且つ相補的でもある処遇要件を完備した医療観察法。その法へのPSWの関与の強度の過程を精査することを通して、精神保健福祉士(PSW)の活動の価値基盤の中にもともと強制性が内包されていたという必然を解題する。
目次
第1章 保安処分とは何か
第2章 日本における保安処分導入の過程
第3章 協会の保安処分に対する「対抗」の過程
第4章 協会の医療観察法への関与の過程―保安処分とPSWとの親和性
第5章 PSWの医療観察法への関与のロジック―協会機関誌『精神保健福祉』における二つの特集の検討
第6章 「精神保健観察」にみる社会復帰の意味
終章 本書のまとめ―PSWの司法分野における構造的・機能的役割拡大へ
著者等紹介
樋澤吉彦[ヒザワヨシヒコ]
1973年、長野県上田市(旧小県郡武石村)生まれ。日本福祉大学大学院社会福祉学研究科社会福祉学専攻博士前期課程修了。立命館大学大学院先端総合学術研究科先端総合学術専攻一貫制博士課程修了。博士(学術)。現在、名古屋市立大学大学院人間文化研究科准教授。専門は社会福祉学、ソーシャルワーク論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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