内容説明
その町には虐待で傷ついた子どもの心を包み込む優しさがある。自分たちの町の子どもだけでなく、虐待などで親と一緒に暮らすことが難しくなった児童養護施設の子どもが「すこやかに育つ」ことをも、やさしい眼差しで見守る地域養護の営みがある町。11回52日も通いつめ、人びとの営みの本質に迫った探求の記録。
目次
第1章 旧沢内村(現西和賀町)の地域養護活動(旧沢内村と深澤晟雄の生命行政;旧沢内村の子どもを尊重する気風;生命尊重を基底にした地域養護活動)
第2章 地域養護活動の現実に分け入る(現実のとらえ方;データ収集の方法;エピソード分析;倫理的配慮)
第3章 地域養護活動の実際―「何をしてもらったか」ではなく「何をしたか」(「ホームステイ事業」のエピソードと考察;「まるごと事業」のエピソードと考察)
第4章 子どもにとっての地域養護活動の意味(地域養護活動に参加した子どもの経験;児童養護施設退所後の生活困難を軽減する可能性)
第5章 地域養護活動が可能になる地域社会の質―地域住民の行動様式の観点から(地域養護活動が可能になる理由;地域住民が経験する行動様式;地域住民の行動様式からとらえた地域社会の質;隠れたカリキュラムとして子どもに伝えられる行動様式)
著者等紹介
井上寿美[イノウエヒサミ]
1958年生まれ。関西大学大学院文学研究科修了後、YMCAプレスクール講師、保健所の心理相談員等を経験する。関西福祉大学社会福祉学部、同大学発達教育学部勤務を経て、大阪大谷大学教育学部准教授。2012~2015年度の4年間、兵庫県川西市子どもの人権オンブズパーソンを務める
笹倉千佳弘[ササクラチカヒロ]
1958年生まれ。同志社大学文学部卒業後、公立高等学校に10年間勤務した後、関西大学大学院文学研究科に入学。同大学院修了後、夙川学院短期大学勤務を経て、就実短期大学幼児教育学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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