内容説明
「ケアされる側」にたたされるその人たちの、それだけではない「生のいずまい、たたずまい」に魅かれた著者が、自らの「とまどい、まよい、失態」を見つめつつ、その人たちと私“との体験”を汲みとり、聞きとり、描きだす中から、これまでとりこぼされてきたさまざまなことがらを浮かび上がらせる、“身をもって”考えるフィールドワークの全貌。
目次
「本人は幸せだよね」ってマジかよ
第1部 かれらを「認知症」と呼ぶ前に(ケアしないフィールドワーカーじゃいられない!?;フィールドワーカーに涙はいらない ほか)
第2部 “交わし合う”こと、“かわし(躱し)合う”こと(“ケアする”フィールドワーカーへ;「あなたがやらなくてもいいのよ」 ほか)
第3部 「自分」をみせる“交わし合い”(本人が“体験”をつぶやくケアの場へ;「小山のおうち」での“交わし合い” ほか)
第4部 「利用者」ではなく“その人”として(「利用者」ではなく“その人”へ;「認知症の当事者」越智俊二さんとの出会い ほか)
第5部 聴きとること、語る/騙ること(“聴きとり”を聞きとる;「語り」は最期まで活かされるか ほか)
あなたを「認知症」と呼ぶ前に―「認知症」とされる人たちと私との“かわし合い”のなかで
認知症当事者の“姿”はどこにある?―愛知鉄道事故判決(「認知症徘徊事故訴訟」)に関する報道への疑問
著者等紹介
出口泰靖[デグチヤスノブ]
1969年生まれ。東京学芸大学大学院修士課程修了。現在、千葉大学文学部人文学科行動科学コース社会学専修教員、介護福祉士。専攻は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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