内容説明
あらゆるヒーローに共通する最大の弱点。それは、家族や友人、愛する者の存在である。故に彼らは正体を隠し、悪と戦い続けてきたのだ。そうすれば、愛する者を守れると信じて。だが、ある殺人事件をきっかけに、その期待は脆くも崩れ去る…。数々のベストセラーで知られる小説家ブラッド・メルツァーが脚本を手がけた問題作、ついに邦訳!巻末には、全7話の創作過程を辿る貴重なボーナスマテリアルも収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サテヒデオ@ダイナミックひとり
3
公共の利益と個人の幸福。両者は必ずしも対立するものではないが、一方を優先すると他方が損なわれる場合も少なくない。それが社会の安寧という大事業であっても。本作は一級のミステリであり、謎解きの鍵はホワイダニット。それが真犯人へと導く。『バットマン:アンダー・ザ・レッドフード』で示唆された不協和音の詳細が明かされる。正義は理念のみならず手段においても公正でなければならない。チョー難しい。秘すべき個人情報とヒーローとしての在り方、二つを秤にかけて問いかけを為した「アイデンティティ・クライシス」は、紛れもない傑作!2017/04/11
リチャード
2
これが正史……辛い……。2020/08/24
Y
1
ヒーロー活動には家族や友人にも危険が伴うという負の側面がありますが、この作品はその面に臆する事なく深く切り込んだ内容で、その衝撃は大きいというほかありません。ライター担当のブラッド・メルツァー氏は本来作家という事ですが、確かに物語の進行に文学的趣向が感じられ、読む者を引き込むミステリーチックな展開にその実力が発揮されているように思いました。賛否両論別れるのも肯ける内容ですが、ヒーロー達もまた一人の人間である事、コスチュームに身を包む意味を再確認する機会を与えてくれる点で評価できるのではないでしょうか?2019/09/18
fap
1
そりゃ問題になるわ。 アメコミだから許容される部分と、アメコミだから許容できない部分を自覚しつつ踏み込んだ作品。 ハッピーエンドではない作品があることは知っているが、後味が悪い悪い。 解決のきっかけになった要因は、事件が収束して油断してうっかり失言したところ。 ここらへんは推理小説とさして変わらないな。 2019/07/16
ビッチュウ
1
傑作。再読。 あるヒーローの奥さんが殺害された事件から始まるミステリー調の物語。奥さんが一般人ながらジャスティスリーグを 援助していた人物だけにヒーローたちは躍起になって犯人を捜すこと……。 メインに犯人捜しミステリーを据えつつ、各ヒーローが抱える暗い部分も暴かれていき、またヴィラン達にも影響がでていく様は純粋に物語として非常に面白い。肝心なオチに関しても納得できる展開であり、作品としての完成度が高く素晴らしいの一言で、正史の物語なのも凄い。 巻末にオマケされたインタビューや解説がまた面白いのオススメ。 2019/03/15
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- 和書
- 敗れざる者たちの演劇志