内容説明
サム・エリング、32歳、独身。彼は愛する女性の笑顔のために、あるプログラムを生み出した。それは、故人のパソコンに残っているメールやチャットの履歴を使い、まるで生きているかのようにその人物と言葉を交わすことができるというものだった。やがてそのプログラムは、永遠の喪失と悲劇に奇跡を呼び起こす―せつなくもほろ苦い愛の物語。
著者等紹介
フランケル,ローリー[フランケル,ローリー] [Frankel,Laurie]
シアトル在住。ワシントン州タコマのピュージェットサウンド大学で文芸創作やジェンダー研究を教えるかたわら執筆活動をつづけ、2010年、“The Atlas of Love”で作家デビューを果たす。現在は太平洋岸北西部の作家クラブ“Seattle 7 Writers”の中心メンバーとして精力的に活動している
羽田詩津子[ハタシズコ]
英米文学翻訳家。お茶の水女子大学英文科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐるぐる244
6
読み終わった夜、久しぶりに亡くなった両親の夢を見た。2020/07/19
すけきよ
4
『アフター0』の「恋愛回線」みたいな話。SFっぽいんだけど、別に人工知能に進化しちゃったり、社会を変革してく、なんてことは起こらない。途中、宗教者やマスコミが押しかけるシークエンスがあって、期待したんだけど、そちらに話が向かうこともない。むしろ、ある日突然振りかかる「死」に対する心構え、「死」の乗り越え方を、SF的ガジェットを使って語ることを目的としている。また、〈リポーズ〉が主人公たちの想定とは違う使われ方をしてしまう顛末も、同じように「死」とは逆に「生」や「老い」にも目が向くように構成されている。2013/08/22
春風
4
メールやチャットなどのオンラインデータを解析して死者と擬似的に対話できるプログラムを開発するというアイディアはSF的だけど、飛躍が少ないのでSFとしてはやや物足りない。愛する人の死を乗り越えるという普遍的なテーマをSF的な設定で掘り下げた作品。2013/08/04
じょじょ
3
エグい。最初は普通のキュートな女の子だったのに リヴィーがなくなってからどんどん自己中で偽善的になっていくのがイライラする。けど こんな展開は望んでない。2019/11/08
LittleLily
3
大切な人を亡くした時に読み返したくなりそうな、そして救いになってくれるであろう本。そんなに遠くない未来、”リポーズ”は現実の物になるでしょうね。AIがさらに洗練され、それが”当たり前”レベルに普及したとしたら、誰かの死はあくまで物理的・距離的な別れで「バーチャルの世界へ引っ越す」程度の感覚になりそう。それどころか、ロボット技術が進歩して物理的に触れられるようになれば、死というもの自体が曖昧になりそうです。テーマ自体は重いですが、描写が冷静というか感情的に煽るような感じではないので、読みやすかったです。2019/04/11




