内容説明
昭和16年2月、中島飛行機は群馬県の40万坪に及ぶ広大な敷地に太田飛行場を完成させ、一三試陸攻の初飛行に成功した。2日後、「大社長」中島知久平は主要技術者を前に、アメリカ本土を爆撃し得る超重爆撃機の製造を軸とする米国撃滅戦策の大綱をぶちあげ、「Z計画」がスタート。8月にはZ機を陸海軍共同開発機とすることが決まり、「富嶽」と命名された…。12月8日、日本軍は真珠湾を攻撃し、ついに太平洋戦争へと突入。中島飛行機は東京・三鷹に総合研究所を完成させて富嶽開発の拠点とし、アメリカが底力を発揮してくる前に富嶽を完成すべく全力をそそぐ。そして翌年10月、富嶽1号機が待望の初飛行の日を迎えた…。
著者等紹介
和泉祐司[イズミユウシ]
1944年生まれ。東京理科大学卒業。コンピュータ会社で基本ソフトウェア、教育システムの開発に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ノーネーム
1
殆どが富嶽の開発に関する話。いや、実戦も富嶽の装備に対する要望の元となっている物だから全てと言っても良いかもしれない。しかし、こういう兵器の開発に焦点が当てられた架空戦記は新鮮で良い。2016/12/30
河副ときわ
1
内容のほとんどが富嶽開発の過程に費やされており戦記物を期待すると肩透かしを食らう。プロジェクト物に分類されると思われ、技術者や裏方の苦闘を好む読み手には合うのではないか。2016/10/06
ふっ~!
0
超巨大機「富嶽」開発開始から試作一号機の初飛行直前までを技術者目線で話が進む。この富嶽に関する事柄以外はほぼ史実通りなんだろうとは思うが、戦記物のはずが殆ど戦闘シーンは描かれておらず着々と開発が進められるところしか描かれていないのではないかと感じた。NHKのプロジェクトXを小説にしたようなイメージといえば判りやすいかもしれない。この先どのようにして負け戦を引き分けに持ち込むのか興味が尽きないところではある。計画通りことが運ぶのか次巻以降に期待したいと思います。ちょっと好き嫌いが別れる作品と思います。2016/08/20




