出版社内容情報
40歳になっても凡人のままだったすべての大人に捧ぐ
「こんなはずじゃなかった」「本気出すタイミングが」「何者にもなれていない」……そりゃおおいに結構!
凡人を自負する文学研究者による、屈託ない凡人の生活と意見。凡人だからこそ滋味深い文学の、人生を生きるための知恵が
あなたを待っている。
内容説明
「こんなはずじゃなかった」「本気出すタイミングが」「何者にもなれていない」…そりゃおおいに結構!凡人を自負する文学研究者による、屈託ない凡人の生活と意見。凡人だからこそ滋味深い文学の、人生を生きるための知恵があなたを待っている。
目次
1 私という凡人について
2 カズオ・イシグロの面白さ―凡人だから分かること
3 読書感想文―凡人だからこそ本を読んで考える
4 平凡な読者のための文学の読み方
5 平凡な文学研究者のメモ書き
6 文化と凡人―文化、文学、人生と意味付与の関係を考察する
著者等紹介
森川慎也[モリカワシンヤ]
1976年、姫路市生まれ。姫路獨協大学外国語学部英語学科卒業。同大学院言語教育研究科言語教育専攻修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻修士課程修了。同博士課程修了、博士(学術)。北海学園大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiro
4
著者によると凡人とはひと通りの努力はしても徹底できず功名心も強くなくて人に影響力を持つことなく人生を終える人のことだと言う。本書は自らをそうした凡人だと繰り返す著者が、文学者としてどのように研究と教育に関わってきたか、文学を通して人生をどう見ているかを語ったエッセイである。人目を引く切り口だが一介のサラリーマンだった、それこそ絵に描いたような凡人の私から見ると大学教授は凡人ではないし、まだ働き盛りの人がそのようなことを言うものではない。自己の研究を教材にした授業の仕方など素晴らしいアイデアや視点豊富な書。2024/09/14
Shun'ichiro AKIKUSA
4
文学の授業は難しいというのは実際そうだと思う。 おもしろくしようとすると文学からはなれてしまうというか。2024/05/18
の
0
非凡に憧れ、非凡な才を持ち合わせているのではと期待する凡人。非凡な人から見ると凡人にも非凡の要素をみるのかも。凡・非凡の評価さえも主観、ループの様。 個々の人生に意味はない、生きて死ぬだけ。意味を持たせようとするのが人。凡人だろうが非凡な人だろうが同じ。自分の生は自己満足。2024/10/28
はちまる
0
ジェーン・E・ハリソン著『古代芸術と祭式』と山本七平著『日本人の人生観』を読んでみたいと思った。ちょうどモームの『of human bonding』を読んでいるところなので考えさせられた。たしかにPhilipは非凡人を目指してあがいている。たしかに天才が書かれた小説よりも凡人を書いた小説がおもしろいと思う。2024/07/17
茶々丸
0
“凡人の生き方の極意は、開き直り。自分凡人なのだと覚悟を決めたら、開き直ってやりたいことを健やかに軽やかにやればよいのである”という。 著者は自分のことを“自分の凡庸さを知り尽くしている希有な凡人”といっているが、本当の凡人はそもそもこのような本を手にしないだろうし、まして本を書こうなどとは・・・ さらに言えば、カズオ・イシグロなど、その作品どころか名前も知らないのが本当の凡人というもの。 “意味付与”をキーワードとして思考を巡らせているが、凡人には整理がつかない。。。2024/06/08