出版社内容情報
出会い、引っ越し、再婚、断煙、禁断症状、不安神経症、ノイローゼ、睡眠障害、鬱、妻の事故……その屈託に寄り添った妻との十五年。表題作ほか計4篇収録。
内容説明
私は、あと二十年くらいはこの人と生きていきたいな、と考えていた。出会い、引っ越し、再婚、断煙、禁断症状、不安神経症、ノイローゼ、睡眠障害、鬱、妻の事故…その屈託に寄り添った妻との十五年。
著者等紹介
小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年、茨城県生まれ。作家、比較文学者。東京大学文学部英文科卒業、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。著書に『聖母のいない国』(サントリー学芸賞受賞)等多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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道楽モン
19
読了後、気持ちがホクホクする私小説って希少だ。ルサンチマンに溢れた気難しい秀才という作者のイメージが、物凄い風力で吹き飛んでしまった。これまで彼の書いてきた私小説とは、まったく作風が異なり、何だかこの夫婦を見守って行きたくなる感じなのだ(大きなお世話だが)。奥さん可愛いし、何だかんだいってメロメロな様子の作者も可愛い。芥川賞くらいあげればいいのに。ともかく私小説として、愛すべき作品だ。ベクトルは異なるが、西村賢太を失ってしまったが、新たなる私小説の書き手として小谷野敦に大注目すべし。次作が待ち遠しい。2023/08/07
夏しい子
2
大好きな蛍日和が単行本になって嬉しく、購入後、文學界で既読だったが即読んだ。 やっぱり良い。蛍さんの可愛らしさにつられて小谷野さんまで可愛らしく感じられる。 『幕見席』は真佐子の気持ちがぎゅうぎゅう伝わってきて辛いところもあるのに何故か読後感が心地良かった。 『村上春樹になりたい』は読者として、もっと読める機会や手元に文芸誌や電子書籍で大好きだった本がきてくれる機会が増えていく世の中になってほしいと思ってしまった。2023/07/13
yoyogi kazuo
1
「幻肢痛」は文芸誌に発表された当時に読んだがあとの作品は未読だった。表題作は、現在の妻との出会いと結婚生活を描いた、著者にしては幸せな日々を描いた作品で、それはタイトルにも表れている。あと二十年くらいはこの人の小説を読んでいきたいな、と思った。2023/10/25
つき
0
蛍日和、幻肢痛、村上春樹になりたい 面白かった。 幕見席は微妙だった。2023/08/24
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- 和書
- ブラウン有機化学 〈上〉