内容説明
壮絶な引揚体験と焼跡の東京が幻視させた、夢想の大殿堂。東京裁判の証言台に立ったラスト・エンペラーには影武者がいた?元宮廷女官が発表した謎の手記をめぐり大胆な綺想を展開する未完長篇(表題作)はじめ、傀儡国家の盛衰に翻弄された人々の運命を描く作品集、満洲残影篇。
著者等紹介
橘外男[タチバナソトオ]
1894年、石川県生まれ。軍人だった父の転任にともない、高崎へ移る。群馬県立(旧制)高崎中学他いくつかの中学校を中退。札幌の叔父に預けられ、鉄道管理局に勤務(のち業務上横領罪で服役)。その後、貿易商館、医療器械店などに携わる。1922~23年、有島武郎の推輓を受けた『太陽の沈みゆく時』(全三巻)でデビュー。1936年、『文藝春秋』の実話原稿募集に「酒場ルーレット紛擾記」が入選し、再デビュー。1938年、「ナリン殿下への回想」で第七回直木賞を受賞。戦中は満州に渡る。同地で終戦を迎えた後、文筆活動を再開。1959年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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