内容説明
大正期、アイルランド文芸復興運動に日本から連帯した翻訳家・松村みね子(筆名)。芥川や鴎外が激賞した美しき夢想の徒による、野蛮かつ荘厳な、精霊の息づく世界。
目次
1 ケルト綺譚「かなしき女王」 マクラオド(海豹;女王スカーアの笑い ほか)
2 夏目漱石「幻影の盾」 現代語訳
3 印度風綺譚 ベイン(闇の精;スリヤカンタ王の恋)
4 アイルランド民話(河童のクウさん;主人と家来 ほか)
5 「燈火節」より(北極星;大へび小へび ほか)
著者等紹介
片山廣子[カタヤマヒロコ]
明治11年(1878)外交官・吉田二郎(のちイギリス総領事)の長女として麻布に生まれ、東洋英和女学校予科・本科・高等科を通じて洋式の寮生活を送りながら英語教育を受ける。同校卒業後、佐佐木信綱の門下となり、以後歌誌「心の花」に歌、随筆などを発表。二十一歳のとき片山貞次郎(のち日本銀行理事)と結婚。鈴木大拙夫人ビアトリスの勧めでアイルランド文学に親しみ、大正3年(1914)から始めた翻訳には筆名「松村みね子」を用いる。グレゴリー夫人、バーナード・ショウ、ジョン・シング、イェーツ、ダンセイニ卿などを訳し、その訳文は坪内逍遙、森鴎外、上田敏、菊池寛らの激賞を得た。随筆集に『燈火節』(昭和28年 エッセイスト・クラブ賞)がある。昭和32年(1957)没
未谷おと[ミタニオト]
1975年生まれ。在野のダンセイニ卿研究家として1997年に研究誌「ペガーナロスト」を創刊、現在一四号まで刊行し、2002年にはSFファンジン大賞翻訳・紹介部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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