著者等紹介
シュトルム,テーオドール[シュトルム,テーオドール] [Storm,Theodor]
1817‐88。ドイツの抒情詩人、小説家。北ドイツの小都市フーズムに生まれる。キールやベルリンの大学で法学を学び、弁護士となり、法務に従事するかたわら、文筆家として活動を続け、代表作『みずうみ』をはじめ、生涯で六十もの小説を書き、ドイツリアリズム文学の代表的作家に数えられる。舞台を故郷の厳しい自然と市民世界に限定しながら、普遍的な人間的本質を描いたその文学は、郷土文学の最高峰をなす
岡本雅克[オカモトマサカツ]
1970年、栃木県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科で博士号(文学)取得。現在、東京工業大学ほか講師。専門はハインリヒ・フォン・クライスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
23
基本この世には善人しかいないような作品世界。『従弟クリスティアンの家で』人手が足りないので若い女性を手伝いに頼む。するとクリスティアンと恋仲に。『三色すみれ』自分のことを娘にママと呼んでほしい義母。『人形つかいのポーレ』人形にまつわる話。『森のかたすみ』家族の秘密。『静かな音楽家』 『荒野の村』2023/08/28
ヘラジカ
23
鮮やかな記憶を作者と分かち合うような読書。大きな動きのない平凡な物語は、あまりに繊細な筆致によって唯一無二の体験へと変えられる。詩的な言葉の連なりも淀みなくさらさらと流れるようで怠さを全く感じさせない。読後感は陽の光で心が洗われたようだった。これこそがシュトルム。『みずうみ』はオールタイムベスト100に入るくらい好きな作品だが、この作品集もとても良かった。再読したい。2020/02/23