内容説明
好事家泣かせの遊蕩三昧!!不道徳の廉で禁書となった、ほしいままにする少女の、18世紀フランスの痛快無比な“反恋愛”リベルタン小説。本邦初訳。
著者等紹介
ネルシア[ネルシア] [Nerciat]
1739‐1800。ブルゴーニュ地方ディジョン生まれのフランスの小説家。過激な性描写で知られる連作小説『取り憑かれた肉体』『アフロディテーたち』などを発表
福井寧[フクイヒサシ]
1967年、青森市生まれ。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業。東京都立大学人文学部研究科仏文専攻博士課程単位取得中退。モンペリエ第三大学でDEA取得。全国通訳案内士(フランス語・英語)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あさうみ
39
この(お堅い社交界なイメージの)時代では放蕩なフェリシア。どこか妖艶で陰鬱さを吹き飛ばす、そんな彼女に読んでいて明るく楽しくなってくる。ルリユール叢書が初回二冊刊行した一つなのだが、明と暗、ハードな後味と愉快な後味、両方いい具合に中和できるいいラインナップだと感心。2019/07/15
rinakko
4
面白かった。うおん。美しき遊女フェリシアの軽やかで賢く優雅なことよ。愛は惜しみなく分け与えることが出来るし、更に末永い友情へとゆるゆる変化させていけばよろしい…と。愛着は持っても執着はせず、激しい情熱には一歩退きつつ己の官能には素直(過ぎるほど)に従う。こんなに奔放に生きてきて、誰のことも不幸にしなかったと言い切れるところが見事なひとだ。びば浮気女。“私は浮気から浮気へと飛んで回るように生まれついた女だ。全部つまみ食いしてひとつところにはとどまらないようにできている。(略)2019/08/09
渡邊利道
3
新しい文学叢書の第一回配本。十八世紀フランスのリベルタン小説で、タイトルロールの女性が孤児となって芸術家一家に養われ、性愛に目覚めていく物語で、のびやかでおおらかな筆致で大変楽しい作品。メタフィクション的なユーモラスな語り口や、細かい短編がいくつも連なっているのがいかにも十八世紀の小説で、暗さや重さが微塵も感じられないのがいい。小間使いのテレーズがなんとも溌剌としていて素晴らしい。2019/09/10
もち
2
おもしろかった! 10代後半くらいの少女の告白する性に奔放なお話という感じ。普通にえろいと思ってしまう描写の古びなさに驚いた。軽妙でするする読めた。2021/01/28
わす
1
昔の人がよく言う「硬い乳房」はあくまで世間的にあるべき乳房であって、男を性的に興奮させるものとはズレがあると思っていたが、本作に登場する男はしっかり「硬い乳房」に興奮していた。その乳房を押し当てて年下の男を誘惑しオナ禁を命ずるフェリシア。対するシルヴィーナはもっと露骨で暑いからと服を脱ぎ、体に付いた蚤を退治せよと指マンへ導くAV並みの力技。婉曲的な描写ながら賢者タイムの男を女性主導で強引にハメる、口内発射や中出しを求めるなど、この時代にしては性に積極的な女の姿が印象的。2025/03/18