出版社内容情報
神田の生まれで明治・大正・昭和を駆け抜けた、寄席と市井の文学を愛した「サイテーな」男が遺した、随筆・小説35篇。芥川龍之介にホメられて有頂天、
永井荷風を敬愛しつつ、その存命中に「絢爛の情話」を著し(荷風も大激怒)、
安藤鶴夫を妬み、
稲垣足穂や金子光晴を友とし、
城左門、今日泊亜蘭、そして小沢昭一、桂米朝、都筑道夫に師事され、
酒癖が悪く、家賃滞納、夜逃げ、女性遍歴を重ねた、べら棒な奇人。
絶交と破門を繰り返し、「孤立」を貫いたこのサイテーな男はしかし、
寄席を愛し、市井の文学を愛し、江戸好みの詩情で歿後、再評価を受けた。
神田の生まれで明治・大正・昭和を駆け抜けた著者が描く、
かくもはなはだしきモダン東京。
歿後60年/小説・随筆35篇
正岡容[マサオカイルル]
著・文・その他
内容説明
神田の生まれで明治・大正・昭和を駆け抜けた作家が描く、かくも太だしきモダン東京。限定800部・愛蔵版。歿後60年/小説・随筆36篇。
目次
Prologue(月夜に傘をさした話)
1(朝寝坊むらく;勝太郎合戦 ほか)
2(あれまでの寄席あれからの寄席;馬楽称讃 ほか)
3(士斑叉風船余聞;ころり来る! ほか)
4(仙女香洋傘綺譚;文明開化 写真の仇討 ほか)
Epilogue(夜の色)
著者等紹介
正岡容[マサオカイルル]
作家、大衆芸術研究者。明治37年(1904)12月20日、東京市神田区生まれ。永井荷風の影響で若い時分から寄席に出入りし、自らも高座に上がった。早くから画家の水島爾保布や稲垣足穂とアクチヴに交遊、江戸趣味とモダンなアトモスフィアがミクスされた作品を数多執筆。小説、寄席をめぐる随筆のほか、落語や浪曲の台本、大衆芸能の研究書等、兎にも角にも書き殴った。代表作として小説に「圓朝」、随筆に『寄席風俗』、研究ほかに「雲右衛門以降」、等等等…昭和33年(1958)12月7日歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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