出版社内容情報
物語作者としての腕が存分に発揮された恋愛短篇を集成。切ない歓びに満ちたジュニア誌に発表されたままになっていた作品集。東京から山間へとやって来た中学生男子の成長をノビノビと描く中篇「青の季節」ほか、物語作者としての腕が存分に発揮された恋愛短篇を集成。砂糖菓子のように一人ひっそりと愉しみたい、切ない歓びに満ちた作品集(解説・佐々木敦)
1
青の季節[1956]
2
犬と娘さん[1953]
鸚鵡[1956]
白い少女[1957]
秋のなかにいる娘[1957]
早春[1958]
お下げ髪の詩人[1960]
風の便り[1960]
収録作品解題
小沼丹[オヌマタン]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirayama46
3
おお、これはたいへん良かったです。中編「青の季節」もいかにも昭和の空気を感じさせる、子どもたちを生き生きと描く筆致が印象的な良い作品でしたが、個人的には後半に収録されている短編郡がとても好き。解説にもある通り似たような雰囲気の作品が多いですが、こういう感傷的な甘さとほろ苦さのある過去を思い起こす物語は好物なので、いずれも気持ちにすっと入り込んでくるようでした。2018/11/03
hitotak
2
小沼丹初読み。小沼氏の作風や出自等に何の知識もない状態で読んだけど、巻頭の中学生向けのさわやか友情小説以外の短編はどれも似たストーリー展開で、一言でいえば男性がモテて女性が振られる話ばかり。ただその小説の舞台として下宿屋や療養所、避暑地などが出てきて古き良き時代を感じるし、物語に品の良さがある。他の作品も続けて読んでみようかな。2018/12/23
PLANULARIUM
1
清流再発見。青春時代の切なさ・甘酸っぱさを美しく澄んだ文章表現で。じんわり余韻が残ります。2018/09/14
Cresson
0
たいへん満足しました。先に春風コンビを読んでよかったかも。懐かしい古い顔を検索。2018/08/05