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文学問題(F+f)+

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  • サイズ B6判/ページ数 589p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784864881357
  • NDC分類 901
  • Cコード C0095

内容説明

文学の傾向と対策を「人」「文」「学」から考える。誰にも読み解けなかった夏目漱石『文学論』を「現代語訳+解説」で完全読解。文学の定義「F+f」を古今東西の世界文学を読み解く道具として再生。「この百年の文学理論」の再検討から、神経文学、文学環境論まで多様な学術領域と連環し「来たるべき『文学論』」としてヴァージョンアップ。「文学とは何か?」―自己本位で理解するための文学問題集。

目次

1 漱石の文学論を読む(『英文学形式論』;『文学論』)
2 『文学論』で読む世界文学(『ギルガメシュ叙事詩』;ホメロス『イリアス』;李白「客中作」;『アラビアン・ナイト』 ほか)
3 来たるべき『文学論』へ向けて(『文学論』以外の文学論;この百年の文学理論;『文学論』再検討;来たるべき『文学論』)

著者等紹介

山本貴光[ヤマモトタカミツ]
文筆家・ゲーム作家。1971年生まれ。コーエーにてゲーム制作(企画/プログラム)に従事後、2004年よりフリーランス。モブキャストとプロ契約中。「哲学の劇場」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

35
漱石の『文学論』を紐解いて「文学とは何か」という古くて、それでいて誰しも直ぐには回答することが出来ない本質的な問いに挑んでいます。著者がなぜ漱石の『文学論』から始めたかはおおよそ推測できます。漱石は現在の人文的ではなく、意外にも科学的なアプローチをしていることが、ゲーム関連の出自や『心脳問題』といった著作にもある著者の関心と結びついているためです。第Ⅰ部では『文学論』を「文学作品とは認知と情緒を材料として、言語によって可能な形式をつうじてつくられるものであり、読者はそれを読んで認知と情緒を変化させる」と要2021/01/03

スミス市松

19
種々の文学理論が学問としての文学の応用研究だとすれば、「F+f」という人間の精神の働きに焦点をあて「文学とは人間の営みであり、読者の心理に変化を与えるものである」と論じた漱石の『文学論』はその基礎研究といえる。まるで地球外生命体に文学を説明するかの如く明瞭な筆致で、本書はそれを「読者の感情をハッキングして幻惑する装置」と結論づける。そして漱石が目指した「人の営みとしての文学」とは、書かれた作品内容の外側にある読み手の心理に生じる変化やその集合である社会・時代の流れも含めて包括的に考察すべきものである、と。2018/07/12

masabi

12
【概要】夏目漱石の「文学論」を基礎に現代版にアップデートしようと試みる。【感想】文学とは何かを出発点にその内容に留まらず、メディアでの差異、記憶の再現、読者の内面での変化の客観化なども射程に入れようとする。もちろん、現代の科学でも未解明の領域が多いのだが、それは夏目漱石が当時の科学を論に取り入れたのを踏まえてなのだろう。漱石の文学論を紐解き、近現代の文学理論を比較し、将来の文学論を構想するので大著となっているが、レイアウトや図、参考文献など配慮が行き届いている。2023/03/27

OHNO Hiroshi

9
大著。舐める程度しか僕の力量では、というのを置いて。 夏目漱石『英文学形式論』『文学論』を現代語訳しながら読み解き、古今東西の作品を挙げて、その文学論を鵜呑みすることなく吟味し、漱石以降の文学論をいくつか取り上げている。何度でも読まないと、という濃密な書物。です。2022/01/16

Ecriture

9
文学は文字に限定されるものではないという主張に共感しつつ、心が動けば全て文学と言ってしまうのなら、およそ全てのものが文学になってしまい、文学という言葉自体が機能しなくなるというところがジレンマだと思います。2020/09/17

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