内容説明
昭和を追うように逝った無頼派作家の随筆群、待望の初書籍化!単行本・全集未収録の86篇。
目次
転居
悼みの火
引越し症候群
来電無用
筆不精
新年
失敗
居眠りしながら
私の顔
風前の灯〔ほか〕
著者等紹介
色川武大[イロカワタケヒロ]
1929年3月28日、東京市牛込区(現・東京都新宿区)矢来町に生まれる。44年、勤労動員中に隠れて発行していたガリ版刷りの同人誌が露顕し、第三東京市立中学校を無期停学処分に。数社の雑誌編集者を経て、55年より井上志摩夫などのペンネームで娯楽小説を乱作。61年、本名で執筆した「黒い布」で中央公論新人賞受賞。68年から阿佐田哲也名義で麻雀小説を書きはじめる。77年には本名での初の著書『怪しい来客簿』で泉鏡花文学賞。以後、二つの名前を使い分けて作品を発表し、78年「離婚」で直木賞、82年「百」で川端康成文学賞、89年『狂人日記』で読売文学賞。同年4月10日に逝去。享年60(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ライム
1
著者の発表した文章は全て読むつもりなので、今まで単行本未収録で埋もれていた多数の優れた随筆をこの1冊でまとめて読めて大変ありがたい。珍しかったのは、戦時中に同人誌がバレて停学になった時の仲間の話とか、不良少年から足を洗って雑誌の編集記者をしていた頃の作家の話など。そして感動的だったのは師匠の藤原審爾への追悼文。生き方に似たものを感じて、一挙一動を見習ったとの素直な告白…グレにグレてた著者をある種立ち直らせる大切な存在だったのだな。そんな師匠と舟釣りに出た時の顛末が笑える。2025/06/14
腰越ヒロシ
1
色川武大さん、阿佐田哲也さん含めて大好きで、著作のほとんどに目を通した気でいたのですが、未読のエッセイもずいぶんあったのだなと思いました。死を、生を、戦争を、本当に体感を通して記した文章の一つ一つが身にしみ、また様々な遊びや文化を語る語り口に惚れ惚れし、それらを通して生まれた多くの人との交流・想いの深さに感じ入り、改めてこの人の人間的!という言葉を使わざるを得ない魅力を実感いたしました。2023/07/29
eleking
1
未収録集ということでバラエティに富んだ内容をテーマ別に集めているのだが、これまで読んできたエッセイ類から大きくイメージが外れることもなく、落ち穂拾いの類であるから大きく印象に残る編もなく、ファン向けとしては嬉しい。2018/01/03
-
- 和書
- 化学と薬学の教室 10