内容説明
睡眠発作症に悩まされながら“呑む打つ喰う”の日々。二つの顔を持つ作家が遺した抱腹絶倒の傑作エッセイ、暴飲暴食の記、初刊行!
目次
1(思い出の喰べ物ワースト3;ぐうたらべえ食道楽;駄喰い三昧;ツルツルとズルズル;はかなく溶ける芸術品;百キロへのバカ喰い記;グータラ、寒ダラを喰う;日本海に陽が落ちて;やきとり二十年;豆入り泰平記;なつかしきバイ菌たち;駅前油地獄)
2(医者は競馬の予想屋の如し;病後なので;ぽっくり逝きたい;どうでもよい;宮崎のきすごと豆腐;悲運の定休日;大名料理と雪の花)
著者等紹介
阿佐田哲也[アサダテツヤ]
本名・色川武大。1929年3月28日、東京市牛込区(現・東京都新宿区)矢来町に生まれる。第三東京市立中学校無期停学ののち、敗戦後は焼跡を徘徊、博打で糊口をしのぐ。雑誌編集者を経て、55年より井上志摩夫などのペンネームで娯楽小説を乱作。61年、本名で執筆した「黒い布」で中央公論新人賞受賞。68年から阿佐田名義で麻雀小説を書きはじめ、『麻雀放浪記』で一世を風靡する。77年には本名での初の著書『怪しい来客簿』で泉鏡花文学賞。78年「離婚」で直木賞。82年「百」で川端康成文学賞。89年『狂人日記』で読売文学賞。同年4月10日に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しーふぉ
17
マンガの麻雀放浪記の原作者のイメージが大きな阿佐田哲也の食べ物に関するエッセイです。文章が上手く読ませます。2023/05/28
DEE
7
ナルコレプシーというやっかいな病を抱えていた阿佐田哲也こと色川武大。 もちろん雀聖と呼ばれたギャンブル狂の男でもあるが、それ以外の時間は専ら食べることに費やした大食漢でもある。 そんな著者の食にまつわるエッセイ集がつまらないわけがない。 開高健が高級かつ珍味だとするなら、阿佐田哲也は庶民的かつ独創的と言えるかもしれない。 なぜか人を惹きつけてやまない不思議な魅力を備えていたという著者の食に対するこだわりと愛が詰まった一冊。2017/10/02
ライム
2
発表時期が様々な食の随筆でバラエティ豊か。まだ若い時分の博打で生活してた頃、蕎麦屋のかけそばに唐辛子を容器分全部入れて食い、しばしの食費を浮かす荒技にあきれるが、大勝負に出る前に入った鰻屋での芸術的な料理に感動するくだりは美しい。たかが食べ物、でも凝りに凝って造られたら迫力が出る。人の心を打つのものは、合理的とは逆の無駄な力、あの万里の長城だってそう…の凄い飛躍が面白い。読後、もっと食を大事しようと思い改めさせる力があった。2024/03/30
てらさか
2
食べたもの記録の量が結構すごい。七味好きなので、話に出てきた「蕎麦に一瓶かけて食べて、2,3日絶食する(胃が荒れてるから)」は怖くなりました。私も気をつけなくちゃ。2023/02/09
taka
2
戦後の食糧事情が興味深かった。蛆やタバコが入ってる。。それ食べて生きてきたの??2021/12/18