出版社内容情報
ふらふらと旅をし、だらだらと飲み、もやもやと考える。
何もないようで何かある、コミマサエッセイの真髄。
田中小実昌[タナカコミマサ]
内容説明
ふらふらと旅をし、だらだらと飲み、もやもやと考える。何もないようで何かある、コミマサエッセイの真髄。初書籍化86篇収録。
目次
娘の結婚
自家製ビール
ジョーク病
カイはどこでもガイジン
どちらが先
ボケもまた楽し
南の窓・西の窓
昼間の富士山
弱虫キヨ
お花見と釘煮〔ほか〕
著者等紹介
田中小実昌[タナカコミマサ]
作家、随筆家、翻訳家。1925年4月29日、東京市千駄ヶ谷生まれ。牧師の父種助の転勤にともない広島県呉市東三津田で育つ。旧制西南学院中学二年で広島県立呉第一中学に転校。旧制福岡高校に在学のまま出征、南京など中国各地を一兵卒として転戦。アメーバ赤痢の疑いで野戦病院に移送された直後に敗戦。復員して呉市に戻り米軍基地兵舎のストーブマンなどをしたあと47年、東京大学文学部哲学科に無試験入学。講義にほとんど出席せず除籍。在学中からストリップ劇場で演出助手、またコメディアンとしても出演、ほかバーテンダー、啖呵売、易者など職を転々とし、その経験をもとにした随筆で注目される。2000年2月26日(日本時間27日)アメリカ・ロサンゼルスで肺炎のため客死(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんちゃん
3
本屋さんをのぞいたら田中小実昌さんの新刊があったので手に取った。相変わらずの飄々とした文体にどこか救われるような思いがした。そんなに肩肘張ってたら疲れるだけだよ、と言われてるみたいで、彼の文章は私にとって清涼剤のようなものだと改めて思った。ところが半分ぐらい読み進めてハッとした。小実昌さんは亡くなったんじゃなかったっけ? 後付けを見たら15年も前に亡くなっていた。そうだったのか。でも彼はまだ生きてるってことなんだな、少なくても私の中では。そんなことを思いながら本を閉じた。2016/10/11
tohoho
0
コミさんが65歳以降に発表したエッセイから、86編を精選した作品集。家族~旅行~戦争~等々と、取り留めない話が飄々と語られる。所々に含蓄ある言葉に感心。2023/07/05