内容説明
ハンセン病の影が兆した時、少女はヤマトの青年と出逢った。南島の言葉、歌、自然を自在にとりいれ描く、美しく惨酷な海辺の生と死。日本文学史上稀有の小説がヤポネシアから甦る。『死の棘』のモデルとなった著者が遺した衝撃の未完長篇。
著者等紹介
島尾ミホ[シマオミホ]
作家。1919年10月24日、鹿児島県大島郡瀬戸内町加計呂麻島生まれ。東京の日出高等女学校を卒業。加計呂麻島の国民学校に代用教員として在職していた戦時中、海軍震洋特別攻撃隊の隊長として駐屯した作家の島尾敏雄と出会う。敗戦後の46年、結婚。75年『海辺の生と死』で南日本文学賞、田村俊子賞を受賞。07年3月25日、脳内出血のため奄美市浦上町の自宅で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kiho
12
島口の響きが全編を覆っていて、時代も含んでの奄美という島が、幻想的かつ現実的に浮かび上がってくる⭐未完であることに、より意味があるような…。2016/04/08
蛸墨雄
1
(多分)戦前の奄美の自然、人、文化がこれほどまでに美しく残されていることに感が極まった。当時の(島の)女性の貞操観念も美しく綴られており、最近の日本人の他者(人であったり、モノであったり、自然であったり要は自分以外)への気配りのなさを猛省させられる。未完なのが残念であるが、この続きはしまおまほさんに書き上げてもらいたいと思ったりします。あるいは満島ひかりの2本めの小説として世に出してもらいたいと思う。2017/07/15
みー
0
奄美に住む主人公の少女が大人に成長していく過程が丁寧に綴られていてハンセン病の発病に怯えたり差別されたりする件は心が痛みました。2015/09/04




