内容説明
ダイバダッタは、地を這った男であり、四つん這いになったその手だけが、汚辱にまみれた地表の果実を掴むのにふさわしい。単行本未収録の小説、随筆を集めた最新刊!唐十郎の“いま”を伝える一人娘で女優、大鶴美仁音による跋「父のこと」同時収録。
著者等紹介
唐十郎[カラジュウロウ]
1940年東京生まれ。明治大学文学部卒業。劇作家、小説家、俳優、演出家、劇団唐組座長。1963年、劇団「シチュエーションの会」結成。翌年、劇団「状況劇場」旗揚げ。88年、劇団「唐組」結成。97年、横浜国立大学教育人間科学部教授に就任後、学生らによって劇団「唐ゼミ☆」発足。2005年より近畿大学文芸学部客員教授、12年より明治大学文学部客員教授を務める。1970年『少女仮面』で岸田國士戯曲賞。78年『海星・河童』で泉鏡花文学賞、83年『佐川君からの手紙』で芥川賞。2003年『泥人魚』で鶴屋南北戯曲賞、翌年、読売文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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Y2K☮
29
神田古本まつりで購入した小説&随筆集。表題作の発表が95年と知って納得した。白眉はやはり一人娘・大鶴美仁音による跋「父のこと」。薄々気づいていたことでも身近な人の言葉で伝えられると重みが違う。唐さんが抗っていたのは「老い」よりも「過去の自分」だった気がする。昔はできた、ならばいまも同じようにできるはずと。凡人はもうムリと早々に頭だけで諦め、現状と折り合いを付ける。だがなまじできてしまう人だとやめられない。たとえ周囲に理不尽な忍耐を強いていても。天才ゆえの孤独と悲劇。それを身近な人が伝えるのも大事な使命だ。2023/11/15
denden
1
唐節は不滅。95年から12年にかけて発表された、唐十郎の小説、随筆15編を集めた作品集に一人娘・大鶴美仁音さんの「父のこと」を併録した未発表作品集。どの小編にも唐節が散りばめられ、はっとする面白さが満載で、ファンならずとも楽しめる。ファンであるなら買うべし、読むべし。ファンでなくとも… 2015/06/17
葛
0
2015年5月15日第1刷発行 著者:唐十郎 発行者:田尻勉 発行所:幻戯書房 収録:ダイバダッタ、閉所快楽症、階段、ぼやき、宿なし、メダカ、ガラスの胎、馬小屋、わが街わが友、紫の煙、昔の水、五十秒の変身、唾おじさん、あの道に立つ「おばさん」、澁澤龍彦さんの思い出 大鶴美仁音:父のこと 印刷・製本:中央精版印刷株式会社 定価:本体2500円+税2024/11/16
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